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”ASDにとって『こだわりは命綱』”
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例えば、自分が高層ビルの間を綱渡りさせられていると想像してください。

冷たい空気、眩しい太陽、激しい強風、グラグラの足元。
真っ逆さまに転落して何が起こるかもわからない。
世界が崩壊するかもしれん。超怖いよね。

こんな、たくさんの刺激と不安に常に囲まれているのが自閉症の世界であり本人を取り巻く状態です。

そして、怖くて怖くてたまらん日々の中で、本人が必死に掴んだ命綱が「こだわり」になります。

・このミキハウスの服を着ていれば自分を刺激から守ってくれる
・このピンクの赤ちゃんマグなら自分は吐かずに水が飲める
・この大きすぎるカエルの人形を持ち歩いていれば怖いことは起こらない
・この道を通る時は自分が「ワンワン」と言ったらママが「犬だねー」と答えてくれたら大丈夫


他人から見れば「そんなもんに因果関係はないわw」と思えるようなものでも、

本人にとってはわけのわからん激しい刺激の中で必死に掴んだ命綱なので、めちゃくちゃ大事です。

これがなくなったら、すぐにでも高層ビルの間で、もはやどうなるかわからんぐらいの恐怖ですから。
では、高層ビルで綱渡りをしている人から命綱を無理やり奪おうとしたらどうでしょう?

そりゃ奪われる側は必死になるよね。

混乱するし泣き叫んで全身全霊をかけて奪おうとする相手に抵抗もするでしょう。
だって、それがなくなったら自分は真っ逆さまに転落して世界は崩壊するかもしれないんだから。
生半可なもんではないです。

これが、いわゆる自閉症のパニックですね。
特に手のつけられんパニックは『メルトダウン』とも呼ばれますが、幼児期はほんまにすごいです。


幼児期というのはこの世界の理などわかってなどいないので、どうなるかも想像できないわけです。

本人にとっては自分の命を守るための本能の行動です。
何時間でも何日でも、この子はこのまま泣き叫びながら死ぬんちゃうか!?レベルの抵抗をみせます。


逆にいえば、本人にとっては「こだわりを奪われる」というのは、それだけの恐怖を体験することになるんです。
とはいえ。とはいえですよ。
そもそも、そのこだわりと安心に因果関係はないんですよ。


自閉症児本人は、それが命綱だと思ってるけど、そのこだわりがなくなっても世界は崩壊しないし、そもそもビルの間を綱渡りなんてしてないので、真っ逆さまに落ちたりもしない。

それを、自閉症児本人が成長とともに学ぶ必要がある。
じゃないと生活に支障をきたしますからね。
ほな、どうやって教えるか。

無理やり奪ってパニック(メルトダウン)状態になって本人が何もわからんぐらいの抵抗を見せてる状態で教えようとして、理解できるでしょうか?無理です。

そんなやり方よりも、別の何かに夢中になってこだわりへの意識がちょっと離れている時とか、本人の気持ちが安定している時の方が本人も理解はしやすいよね。

なので、そういう時に「あれっ?この命綱なくてもいけるんじゃね?」と思いそうな瞬間を狙うんですよ。「なくても大丈夫や〜ん(σ ᐛ )σ」を経験させる。または、「このこだわり(命綱)じゃなくてこっちの命綱の方が良くな〜い?(σ ᐛ )σ」を提案する。

これがいわゆる、自閉症児の親がやる「こだわりを外すorずらす」というやつです。
問題は、この「(その命綱)なくても大丈夫や〜ん(σ ᐛ )σ」を教えられるタイミングが、いつくるかってことです。

これはもう、成長の中で見極めるしかないです。
幼児期は自閉症児に限らず、この世の理などわかりません。
ましてや、たくさんの刺激の中で生きる自閉症の子にとって、この世の理を肌感覚で理解するのは時間もかかります。

安定した環境を整えて、本人が感じる刺激を抑えつつ、ジリジリと亀の歩みのようなレベルのちょっとの変化を日常の中に入れ続け経験値を増やしながら、ひたすら様子を伺い、本人が成長の中で「あれっ?」と思う日が来るのを待つ。

長期戦ですなー。本人も親もしんどいよねー。

逆にいえば、この世の理を理解したら、割とこだわりは外れやすいしズラしやすいです。
無くなりはしないし、おまじないみたいに残り続けたりもしますが。
その人にもよるけども、生活に支障のないレベルに本人がこだわり行動を調整したりも出来るようになったりもしますね。
なので、まとめると。

まず最優先は、本人が安心できる環境構築。それにミキハウスの服が必須なら集めたらええし、巨大なカエルの人形も赤ちゃんマグも持ち歩いたったらええねんええねん。

ただし、スモールステップはやっていこ。成長の日々の中でタイミングはくるで〜!

って感じです。おしまい。

反応&感想

すんばらしい解説。
「寧ろお前は何故安心して息をしてるんだ」と、ライナス片手に万人に聞いて回りたくなるぜ。
命綱か…なるほどめちゃくちゃ勉強になった。
凄く分かりやすい説明。
「こだわり」の解像度が上がった。
わかりやすい
ワガママとはワケが違うのね
こだわりが要因で栄養失調になることもあるって何で?と思ってたけど
命綱に頑張って捕まってたのね
なるほど、そう言うことなんだ。

長男を送迎中に見かけた方は、道の標識やガードレール、看板などを順番に触って行ってて、途中戻って触り直ししたりしていたのそう言うことなんだ

腑に落ちた
ものすごい雷に打たれた気分…。

私がずっと放デイに対してモヤモヤしてたモノがなにかはっきりわかった。

命綱、切ろうとすんのよ。時には笑顔で。
わたしの友人で支援級(比較的軽度)だった子は、
こだわりが達成できないときは
左右逆にした靴を履いているような軽い嫌な違和感から
無理やり裸にされて往来を歩かされるような強い不快感まで
いろんな嫌さを感じる
って言ってたな
めちゃこれなんだよなぁ

だからこだわりにはできるだけ付き合う
むしろ人生の最優先事項として扱ってるし、自分もそうやからいい歳こいて百均のふわふわポーチを財布にしてたりする
大人がこれ理解せずルール押し付けたり、
こだわり矯正しようと無理やりそれを取り上げたりすると、
大人になっても二次障害とか、自傷とか、こだわりを隠したり言わなかったりで、
周囲には理由がわからないパニック頻発とか、本当に生きにくくなっているから、幼児期の安心って大事だよな。
だから無理やり取り上げちゃダメなんだ。
ゆっくり様子を見つつ、出来る事なら本人のペースに合わせてあげたい。

服があるか探したっていいじゃん。
探して無かったら仕方ないけど、親として出来ることしてもいいじゃんって思うな。
いつか生活に支障がない程度にはこだわりを外したり違うものに移行出来たりしたらいいんだけど、タイミングってありますよね。
もう既に外出もままならないレベルでロックオンをしてしまってる場合は可能な限り付き合うのがいいかも。
これも投薬と似ていて、いかに本人が安心できるかなんだよね。
安心の上にしか次のステップはない。
電車で1人お話してる人も、安心の為の行動でもあると思う。
それがあると落ち着く。
年齢とともに対象を1点ではなく“まあいいか”に広げていく。
自転車の補助輪みたいなものなのかな?
親にどんなに「大丈夫だから」と言われても頑なに外そうとしなかったな、半年間くらい。
倒れて血まみれになる姿が容易に想像できたというか。
経験値をつむためには時間が必要だもんな。
我が子を育てる上でとても役にたつ教えだった。
こだわることから離れて、なお「好き」でいる、という状態に持っていくことは一つのテーマだと思う。
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