東京大学が新発見「ADHDとASDが併発している状態は、単純な重ね合わせではなく異なる神経メカニズムによって生み出されている」→ ”純粋なADHD”と”ADHDを伴うASD”は別物っぽいと判明
自閉スペクトラム症(ASD)とADHDの合併症の神経基盤
――ASD/ADHD合併症は単純な重ね合わせではない――

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東京大学国際高等研究所ニューロインテリジェンス国際研究機構(WPI-IRCN)の渡部喬光准教授とカリフォルニア大学バークレー校認知神経学部の渡邉大地(研究当時:IRCNインターンシップ生)は、自閉スペクトラム症(ASD、注1)と注意欠陥多動症(ADHD、注2)とが一人の人の中で合併する神経メカニズムについて2種類のデータ駆動型解析(注3)を用いて調べました。

その結果、

ASDとADHDが合併しているとこれまで考えられてきた状態は、ASDとADHDとの単純な合併症ではないということが生物学的に初めて明らかになりました。
特に合併症例で見られるADHDの様な症状は、純粋なADHDの症状とは異なる神経メカニズムによって生み出されていることが判明しました。

これらの成果は、ASD/ADHD合併症に対する概念や治療法の一部変更を促すものとなる可能性があります。特に、合併症当事者のADHD様の症状を緩和する目的で、純粋なADHD当事者に対するものと同じ薬物を投与することの効果について再検討する必要性を示唆していると考えられます。
出典:https://ircn.jp/pressrelease/20230714_takamitsu_watanabe
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反応&感想

ななしさん@発達中
なんだか凄い話になってる
この研究めちゃくちゃおもろいんやけど、

・ASD
・ADHD
・ASD&ADHD
の人がいるって考えられてたのが、

ASD&ADHD
なんてものはなくて、
ASDを元にしたもう一つの状態を持ってる人ってことなんだと


全然別物なんや…すご…😂😂😂
研究者さんすごやん………😂😂😂
「ASDとADHDがそれぞれ一人の人の中に存在しているという状態ではなく、ASDを元として、そこにADHDとは異なるタイプの神経活動の過活動が併発した状態と捉える方が良さそうです」
ASDとADHDの合併症の神経基盤 ――ASD/ADHD合併症は単純な重ね合わせではない――
興味深い論文。
ASDとADHDとASD/ADHD(合併型)では、脳内ネットワークのメカニズムが異なるという研究結果。
合併型の方のASDの部分は純粋ASDの方と類似するが、ADHDの部分が純粋ADHDとは違ったメカニズムが観察されたという。
なんかそんな気がしてた…
主治医から、息子の多動・衝動性はASD由来だと言われたことがあるけど、こういうこと?
ななしさん@発達中
薬物治療の効果が見えにくかったりするのはこういう事なのか?
同じ病気と診断されて薬が効くやつ効かんやついるのは分類がおかしい場合があるんじゃないかなどと思ったことあるけどまじか
ASD・ASD/ADHD併発と、ADHDの違いについて。
私は併発の色が濃いADHDだけれど、感覚的にADHDよりASDに親和性を感じるのはここらへんなのかな。
なるほど。。。
だから両方持っている私はADHDの症状ともASDの症状とも いまいち一致しなかったのかぁ。。。
納得した。
臨床の肌感覚であるだろうなぁと思ってたやつ、ついに神経生理からもピックアップされたかー。 ASD/ADHD併発している方に中枢神経賦活効きにくいのも説明できそう。
ASD/ADHD合併症のADHD様症状は、純粋なADHD症とは異なる神経メカニズムから起こる。
安静時f MRIですが、そのデータ駆動型解析(神経ダイナミクスの分析)による研究です。
結構納得のゆく内容だと思う。
時間的解像度の低いf MRIでも解析の仕方次第なんだなぁと思いました。
やはりASDとADHDは別の器質的ベースを持っているのですね。
一方でADHDとナルコレプシーの遺伝的な関連も確認されている。
おそらくこちらが「純粋な」ADHDなのだろう。
純粋なADHD当事者に対してしばしば処方するのと同じ薬物療法を実施して効果が十分期待できるのか、などといった点については、今後、臨床的にも検討していく必要が出てくるかもしれません。
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