熊本でそんな若者たちの支援をしているNPO法人「トナリビト」の山下祈恵代表に、【前編：「ネグレクトを受けた15歳少女」生々しい実態】につづいて話を聞きたい。（中略）

現代の家庭は閉鎖的であり、親以外の価値観が入り込む余地が極めて少ない。そのため、子供は親からの虐待などの悪影響にさらされやすい。そうなると、子供たちはゲームやSNSといった二次元の世界に逃げ込むのだが、そこにきちんとした解決策があるわけではないし、自分で状況を打破する力を養うこともできない。その結果、自立することができず、家から離れた途端に漂流するという事態が起きてしまう。（中略）

◆「人を信用できない」

山下は言う。

「うちに来る子たちはよく『人を信用できない』と言います。親を含めて大人からは傷つけられてばかりで、誰を信じていいかわからないのです。だから、信頼も、希望も持つことができない。

私はそんな子にこそ、〈埋め合わせ体験〉と〈価値観の上書き〉の機会を与えることが必要だと思うのです。彼らの生活をできるだけ安定させ、親に代わって愛情を注ぐことによって心の穴を埋め、自分を大切にして生きていけるようにしているのです」

こうした子供たちの心の穴を埋めるのは決して簡単なことではない。愛情をまったく知らない子供たちは、その分だけ大きな愛情を求めてくる。

20歳前後の男子たちが、「手をつなぎたい」「抱きしめて」「頭をなでて」と訴えてくることはもちろん、中には「母乳を飲みたい」と言ってくる者もいるという。指をしゃぶりしながら恍惚として抱きしめてもらうような深い愛情を欲しているのだろう。

どこまで要望を受け入れるかは別にしても、愛情を注がれることによって彼らの心が満たされれば、生きていることに希望を持ち、社会に順応しようと考えるようになっていく。

全文はソースにて
https://news.yahoo.co.jp/articles/f5914a166b65a328a4067e23b2094e4f9410ba84