・女性の体は誰のもの？

実際、当時の女性は、●首に化粧を施して赤みがかった色にすることが珍しくなかった。●首が（意図的であれ、偶然であれ）衣服からのぞいても、大騒ぎもタブー視もされず、「その気」がある印と見なされることもなかった。

一方、アメリカの多くの州や都市では1930年代後半まで、男性も公共空間での胸の露出を禁じられていた。性別を問わず、裸体はわいせつなものとされていたからだ。 女性の●首露出をめぐる議論は、ある事実を示唆している。

女性の●首を性的と捉えるのは文化的現象であり、それによって男性は女性の体を支配していて、女性の体をけなすのは、自分たちの当然の権利だと思っている。

イギリス人女優のフローレンス・ピューは昨年、●首が透けて見えるピンクのドレス姿でファッションショーに出席した。その際に受けた批判について、ピューはインスタにこう投稿している。

「興味深いのは......男性がどれほど簡単に、公的な形で、堂々と女性の体を無効化できるかということ......私の『貧乳』にどれほど失望したか、自分の平らな胸を恥ずかしく思うべきだと、多くの男性が熱心に教えようとした」
出典：https://www.newsweekjapan.jp/stories/woman/2023/03/post-816_1.php