アレルギー専門医による、
「あるものをたくさん食べると、その食べものへのアレルギーを発症しやすい、というのは俗説である」
という話。超役立つ。。
専門医が語る「沢山食べるとアレルギーになりやすい」の真実
離乳食にある食べ物ばかり毎日食べさせると、そのアレルギーになりますか?ばぶ先生(@minesoh )先生からパスをいただきました。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日
食物アレルギー診療ガイドライン2016にある通り、「食物アレルギーの感作・発症の機序は十分に証明されていない」というのが正しいのですが、私の現在の考え方を簡単に説明させていただきます。 https://t.co/jEktUYHDmE私は、少なくとも「同じものを食べ続けると、その食物アレルギーを発症しやすい」わけではないと考えています。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日
ではなぜ、「同じものを食べ続けると、その食物アレルギーを発症しやすい」と思いやすいのでしょうか?
いくつかの理由があるのではないか、と私は考えています。
ピーナッツアレルギーは「皮膚に付着したホコリ」が原因だった…
過去、妊娠中のお母さんがピーナッツを沢山食べていると、お子さんがピーナッツアレルギーになりやすいのではないかという説があり、2000年に米国小児科学会(AAP)から「妊娠中や授乳中のアレルギーになりやすい鶏卵、牛乳、ピーナッツなどの開始年齢を遅らせる」と推奨された時期があったのです。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日しかしその推奨後、ピーナッツアレルギーが急増し、2008年にはナッツアレルギーは3倍以上に増えるという結果になりました。すなわち、逆効果だったわけですね。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日
J Allelgy Clin lmmunol 125: 1322-1326, 2010では何故、お母さんがピーナッツを沢山食べていると、お子さんにピーナッツアレルギーが増えるというイメージになっていたのでしょうか?
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日それは、家族がピーナッツを沢山食べていると、ホコリの中にピーナッツ蛋白質が増え、ピーナッツアレルギーの原因になっていたからです。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日つまり、お母さんがたくさん食べたピーナッツがお腹の中の赤ちゃんにそのまま移行したことが問題ではなく、生まれてから皮膚に付着したホコリの中のピーナッツが問題だったわけです。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日実際に、ホコリの中には各種の食物アレルゲンが検出されることがわかっており、例えば日本におけるホコリ中の卵蛋白質の量は、ダニよりも多いことが最近報告されました。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日
Allergology International 2019 [Epub ahead of print]そして特に、ホコリの中のピーナッツ蛋白量が多く、お子さんがアトピー性皮膚炎を発症していると、ピーナッツアレルギーが増えるという関係が判明しています。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日
この、皮膚をルートにする感作(=即時型アレルギーに関与するIgE抗体ができる)のことを「経皮感作」といいます。※感作に関して分かりにくい場合は、こちらのインスタをご覧下さい。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日なお、感作の数値が高くなるほど、そして食べたときの量が多いほど、症状が出現するリスクは高まります。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日
これは、「沢山たべると症状がでやすい」という俗説を補強する「体験」になり得ると考えています。さらに、除去をすることでかえって食物アレルギーが増える理由が別にあります。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日
除去をすることで、「経口免疫寛容」が崩れるのです。
経口免疫寛容とは、食べているものに対し「受け入れる方に働くちから」が誘導されることです。実際、生後5~10ヶ月にピーナッツを離乳食に開始すると、ピーナッツアレルギーの発症リスクが低下することが報告されています。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日ただし、「同じモノを毎日沢山食べる」のは弊害があります。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日
「食事のバランスが崩れる」のです。
ピーナッツ早期開始における食物アレルギーの予防効果は、「ピーナッツに対してのみ」です。ピーナッツの早期開始は、他の食物アレルギーの予防には役に立ちません。実際に、離乳食時にヴァリエーションをもたせたほうが、食物アレルギーのリスクが減るのではないかという報告もあります。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日ですので、アレルギー的にも栄養的にも「バランス良く色んなものを食べましょう」が推奨できる方法になるといえるでしょう。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日長くなりましたが、ご質問の方のように「バナナばかり毎日あげる」ことに関しては、バナナ以外のバリエーションが減ることも考えると、アレルギー的にもあまり望ましくないように思います。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日「予防」ではなく「治療」において経口免疫寛容を誘導する場合は、毎日食べたほうが良いと考えられるのですが、これらに関しては、また別のテーマでしょう。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年5月24日
以上です。
あくまで個人的な考え方がはいっていますのでご留意くださいませ🙇♂️
反応&感想
沢山食べることがアレルギーの原因だったら
日本人は全員白米アレルギーになるし
西洋人は小麦アレルギー、牛は草アレルギーだし
ライオンは肉アレルギーになって生物全滅しますよね
「あるものをたくさん食べると、その食べものへのアレルギーを発症しやすい」
が本当だったら、大抵の日本人が大豆アレルギー(ver味噌汁)になるだろうから(;´Д`)
マスカット三日連続で食べたら同じく四日目から様子がおかしくなって見事アレルギー対象だし、
「ばっかり食べダイエット」の時ちょっとした問題にもなったし、
俗説で片付けるには経験者が多い気がする……
周囲からも飲みすぎと注意されるほどに飲んでいた。
そしたら見事にカフェインアレルギーになった。
コーヒー自体は中学生から飲んでいたが、ブラック企業勤めで過剰にコーヒー飲んでた時期だった。
減感作療法が有効だから単純な量の問題でないということは理解できるけど、
短期間に大量にある食べ物を食べるとアレルギーになるリスクがあると思ってた。
皮膚炎とか傷からの皮膚接触が原因じゃないかって変わってきてるよね。
傷や皮膚炎が治らないと、樹状細胞が原因を探して、接触した物質が原因と誤認して、免疫を作ってしまうとか……そんな話だった気がする。
日本で深刻なのは隠れセリアック病ですね。
セリアック病でなくても全てのカビ類、酵母がダメで味噌汁で頭痛がする私のようなのもいます。
土や本のカビで呼吸困難になるし、全くIg-GとIg-Eが関係がないとは言い切れず、発達障害の方はIg-Gで小麦や卵に反応多数。
そして、ある程度の添加物の知識は持っておくべきかなとも…
例えば「卵殻カルシウム」と記載があるものは、卵アレルギーでは食べてはいけないと思っていたり…
引用元
アレルギー学会にあわせて発刊されていました。
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年6月15日
多くの著名な先生方がコンパクトにまとめられています。
大塚先生(@otsukaman )と私も執筆しています。
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ルールを守ってお使いくださいませ
コメント一覧
コメント一覧 (28)
おふとん
が
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おふとん
が
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おふとん
が
しました
なんで日本人の多くが大豆アレルギーになってないんだろうか
おふとん
が
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おふとん
が
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コイツが思ってるだけの話だぞ
おふとん
が
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おふとん
が
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体の調子はすごくいい
おふとん
が
しました
調べてみたいけどたけーな
おふとん
が
しました
おふとん
が
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いわゆるリーキーガットの状態であれば
食べることによってもアレルギー反応が起こるでしょうね
そう考えると
「俗説で片付けるには経験者が多い気がする」
という印象を受けるのもうなずける話
ただしリーキーガットを改善する食事理論って
複数あってしかも真逆のことを言ってたりもするんだよな・・・
おふとん
が
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成長剤と農薬は共通してる点だ(笑)щ(゚д゚)
原因は科学薬品と高濃度の抽出物だわ(笑)
体内で花粉症みたいなコトが起こる。そんでアレルギーになる。
ダカラ、あんまバカスカ同じモン食えば食ったモン意外のアレルギーが複数点火されたりもする(笑)
おふとん
が
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俗説ってこうやって広がってくんだろうなという例を見た感じだ
おふとん
が
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医者は全員進化医学を必修にしろ。なぜ部族社会ではアレルギーが少ないのか考えろよ。清潔にしたり食べないことが逆効果になってんの。
おふとん
が
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体内に一定以上の花粉を取り入れたら発症する。
というのがあったと思うが、単純にそのイメージだったんじゃないの?
食べ過ぎると発症する。ってのは
おふとん
が
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俺はアロエが体にいいと思って毎日朝夕食ってたらアレルギーなったわ
おふとん
が
しました
石鹸に含まれる小麦成分がもとで小麦アレルギーを発症したって。
皮膚から吸収してしまうのがまずいってことか。
多く食べるなら埃とか汁とかで皮膚から吸収してしまう可能性も高くなるってことなんかな。
おふとん
が
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偏食気質のせいで腸内荒れてて、リーキーガット
になってる可能性があるんじゃない?
んで、腸での濾過(解毒)に失敗して毒認定され
てるとか
おふとん
が
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なんにせよただでさえ妊婦さんとかの栄養管理は難しいのに、食材も多くの種類を使った方が良さそうだね
おふとん
が
しました