以前も書いたけど、私の場合、今までに一番自殺を思い止まらせてくれた文章は萩原朔太郎のこれだな。
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いやほんとコレだよな、この幻想なんだよな。
おれがちょっとハンドル切るのを幾度も思いとどまらせてきたのは。

「人が飛び降りると大体体感で3秒~5秒かかるらしいです。じゃ、ちょっと皆で目を瞑って3秒数えてみましょうか」
「長く感じましたか?短く感じましたか?」

何時だったか、学校の先生が言ってた言葉。

不可逆に足を踏み入れることを真剣に考える、それが、覚悟ってやつだよな。

ホント、死ぬこと自体は問題じゃない。

1番気にしてるのはココ。

死は不可逆的な現象であるという、正にこの1点

未来を惜しむから踏み止まる。
逆に惜しむほどの未来がなくなったとき、決断するんだろうな。
それが満足から来るのか、絶望から来るのかでだいぶ意味は変わるけど。
まぁ、意味は不要か

うちの職場近くのマンションは自殺の名所だ。
この近くに契約業者の一人が住んでいるが、飛び降りる時は解ると言う。
感極まって飛び降りるんだろうが、
決まって「助けてー!」と叫びながら飛び降りるんだそうだ。

「ブリッジ」というドキュメンタリー映画でゴールデンゲートブリッジから飛び降りて奇跡的に生還した人が全く同じこと言ってました。
実際にそうみたいです。

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電車の運転士の知人から聞いた話では、
電車が人間を轢いた場合、相手に息があるうちに事情を訊ねることになっているのだが、
その知人の経験した限りでは飛び込みも例外なく「死にたくない」と繰り返しながら死ぬのだそうだ。

死が決定的になって初めて「生きること」の価値に気付くのだなあ。

決めた後にやっぱりやめられる自由がなんとすばらしいことか。

どんなに苦しくても、どんなにつらくても、どんなにかっこ悪くても、どんなに惨めでも、どんなに泥臭くっても、
生きているだけでいい。
明るさの差異はあっても、明日への道があるのなら。

どんな理由があっても、自分で命を絶つのはしてはいけない行為です。

でも別にこういう考え方は、生きることの苦悩を和らげはしないんだよね。

それを容易に想像できてなお去りたい、または全く想像だに出来ないまま去りたいという思いがある人もいるのよ。

その恐怖に脅されこき使われる奴隷である事も恐ろしい

人生はこの恐怖を時間に溶かして薄めてるだけ 恐怖の総量は変わらない

自殺して生き返った人が書いたやつなら信じれるっていうひねくれマン

これは自殺をしようと思ってる人の思考ではなく、自殺を思い止まろうとしている人の思考。
自殺は結果論。
達成した人だけの世界。
未達成者に論は無い。

死んだ後の人間「死ぬ直前にすっげえ後悔したけど死んだらそれすらもどうでも良くなった マジ死んで良かった。」
というオチがあったりして。

「自殺を思いとどまる言葉」が何なのかは私は知らないけど、
中学の時に一級上の学年で自殺した人が出た時に、
その人を知ってるクラスの男子達が下衆な笑い浮かべながらその人が見つかった経過の話をしてたの見て
「アレはやるもんじゃないな」って思ったことはある。

死んだらその人を語るのは生きてる方の人なんだよな。

「自殺者はみんなあの世で後悔してます」

的な言説が自殺を減らすとは僕には思えない。


遺族のスティグマを重くするだけで、困難の最中にいるひとの心には届かない言葉だと思う。

「自殺は疾患の症状として誰にでも起こりうる」

という自殺観の方が事実に近いし、予防にも繋がるんじゃないかな。

「自殺は誰にでも起こりうること」
という世界観はメンヘラサイドからすると至極当然なんだけど、
健常者からするとその考えを飲み込むのはハードかもしれないと気づいた。

健常者、基本的に死を身近なものとして捉えてないので。

自殺なんか勢いでやるもんだし
やった後は頭ん中ぐちゃぐちゃで理路整然とした思考なんかできないと思いますよ。
ワー!ってなって、ワー!って決行して、
よくわからないまま生き残ったり逝ったりするんじゃないかな。

だから自死を理路整然とした思考と判断を経た上での行動と捉えるのはたぶん的を外してて、
病気で脳がワー!っとなってる時に、たまたま勢いとか弾みがついてワー!とやってしまったというのが大半なんじゃないかなと思う。
そういう脳をワー!ッとさせてしまうのが精神疾患な訳でね。

だから

自殺の99%は自死ではなく病死なんだと僕は思ってます。

死にたくなるようなコンディションになるのも、それを決行させてしまうのも、基本的に疾患由来の症状なわけですから。

自殺は心の交通事故

引用元
萩原朔太郎詩集 (岩波文庫)
萩原 朔太郎
岩波書店
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