1-33-92

1: ななしさん ID:1Z3
俺には憧れ続けている人がいる。
けっこう近いところにいて、何かと俺は張り合ってきた(ただ向こうは俺が対抗心燃やしてることに気づいてないかも)

ただ、一向に差は縮まらない。

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2: ななしさん ID:1Z3
その憧れの人物はとにかく頭がいい。
なんと参考書や教科書の類を数回読んだだけである程度は内容が理解出来て、問題なぞサラサラ解けるようになるらしい。くそったれ、サラサーティかってんだ

俺はよくて暗記のゴリ押し、理数系なんぞ壊滅的、理解出来ても凡ミスあったりと
これでもかと凡骨っぷりを発揮している。

3: ななしさん ID:v34
俺のことか

5: ななしさん ID:1Z3
>>3
お前だったのか

4: ななしさん ID:1Z3
俺が不動産関連の雑魚資格受かって不動産関連の道進もうかと悩んでいた時、そいつは名のある資格試験に合格した。なんと四ヶ月ほどガチったら簡単だったらしい。多分俺だと1年はかかるんじゃねーの?ってくらいの資格試験だ。

なんだこの差は。多少埋まったと思いきやさらに開いたじゃないか。

6: ななしさん ID:1Z3
そいつは勉強だけじゃない。なんとスポーツも上手い。
俺もそいつも同じ部活動に所属してるんだけど、そいつはキャプテンで俺は雑魚部員。
そいつがプレイすると歓声があがる。コーチも唸る。ちなみに俺はベンチでボール拭いてる。
なんだこれは、王道の主人公とそのモブじゃないか。

7: ななしさん ID:1Z3
勉強だけじゃなくスポーツでも負けてる俺、ここに来てヤツに勝つための最後の方法を思いつく。

ひたすらスタミナを増やすことだ。
運動神経は神とカエルくらいの差がある。どう足掻いてもひっくり返せない。なら手先の器用さとかは勝負にならない。
もう走りまくってとにかくスタミナ負けしない。これしか勝ち目はない。

8: ななしさん ID:1Z3
俺は走りまくった。
とにかく走りまくった。
グラウンドには俺の走った後が残るくらいには走りまくった。グラウンド整備ぐらいしろよってヤツに怒られたが。
整備しても整備してもあとが残るから、「俺ロード」なんて名前がついたくらいだ。
そうして走りまくった俺、ある時フルマラソンに参加し見後完走するくらいまでにはスタミナがついた。

9: ななしさん ID:1Z3
そして部活動で俺はやつとダッシュで張り合った。
とにかくヤツと同じ練習メニュー組んだ時はとにかく張り合った。
マネージャーから「あの時の俺さん目が血走っててクレイジーだった」って言われるくらいには必死に張り合った。
そして俺はついにダッシュでヤツに勝てるようになった。

「まあアイツは筋力特化タイプだから、痩せ型のお前が勝てるのは当たり前だよ」

周りからはそう評価されていた。てかぶっちゃけ途中から俺もそう考えてた。

ゴリマッチョのあいつより痩せ型の俺の方がランニングフィットネスで有利なのは傍から見ても歴然なのである。

10: ななしさん ID:1Z3
ここに来て俺は苦悩した。
悔しい、諦めたくない、ならまだ頑張るしかない!!!
そして俺のゴリマッチョへの道が始まった。

最初はとても軽い重量から始まったベンチプレス、スクワット、デッドリフト……

俺はコツコツ努力を積み重ねては筋肉痛を重ね続けた。

授業中「あのチビ毎回体育館いるんだけど住んでんの?」「妖精なんじゃね?」「それ以外することないのかよ」なんて声が聞こえてくることがよくあったが気にしなかった。
ヤツに勝てるのならそれだけでいいんだ。

11: ななしさん ID:1Z3
そして一年経過、俺の胸囲が100cmを超えたあたりから「そろそろヤツと重量で張り合ってみるか」と考え

俺はヤツに尋ねた。

「ベンチプレス何キロよ?」
『120キロ』

(  Д ) ? ?

この時ベンチプレスの重量80キロ俺氏、完全敗北を悟る。

12: ななしさん ID:1Z3
ベンチプレスは自分の中で得意な種目だった。
始めた時は35キロだった、けど今は80キロ。
でもアイツは120キロ…………

まあ、筋肉ゴリマッチョだし負けてもね……まだ時間はあるし………………

はぁ…………まだ努力が足りない…………………………

14: ななしさん ID:oJY
そんな時に出会ったのが、この青汁

13: ななしさん ID:1Z3
くそったれ、くそったれ、くそったれ……

俺は悔しい、悔しい…………

この辺りから、法律家になりたいという夢を持ち出した俺は法律系の資格試験を受けることを決意する。

なんとヤツも大学院入試のため勉強しはじめるのだという。
分野はお互い違うが、なぜか「負けてたまるか!!!」という謎の対抗心を燃やした俺、再びヤツと張り合うことに。

15: ななしさん ID:1Z3
俺は図書館に篭もり、ひたすら勉強を続けた。
机の上に置くのはいつもの参考書、過去問、そして携帯(音楽聞くため)、コーヒー……
俺は髪の毛が伸びてることにも、髭がボサボサになっていることにも気付かず、図書館に通い続けた。

夜中帰る時、警官から声かけられるくらいにはヤバい格好になってた。と思う。

16: ななしさん ID:1Z3
努力、努力、努力…………

図書館に行く途中、様々な人たちを見てきた。
家族と共に楽しそうに出かける者、愛する女性と手を繋ぎイチャイチャしている者、電話をしながら楽しそうに歩く者……

「俺には必要ない、必要ない、必要ない……」
「あんなことに時間使う暇あったら、少しでも自分の将来を良くするため、金を稼ぐために勉強やらなするべきだ……」
「みっともない、みっともない、みっともない……」
「そんなことをしている時間は僕にはない」

いつからかそんな考えが僕の頭を支配するようになった。

17: ななしさん ID:1Z3
勉強している期間も、欠かさず筋トレはしていた。
なんか習慣になってて、やらないと気持ち悪いんだよね。

「走りまくれ、走りまくれ、走りまくれ……」
「努力しろ、努力しろ、努力しろ…………」
「ヤツに勝つため……勝つため……」

気が休まらなかった。鍛えるために走ってるのか、焦る気持ちを落ち着かせるためなのか、それとも過労で倒れるためなのか……自分でもよく分からなくなってきたんだ。

18: ななしさん ID:1Z3
「勉強しろ、頭良くなれ、資格武装しろ……」
ヤツは最近お気に入りの女の子と距離を縮められて人生楽しいそうだ。
「スタミナつけろ、多少のキツさじゃへこたれない肉体を作れ……」
ヤツの周りには仲間がたくさん。俺の周りには自罰がたくさん。
「追いつけ、しがみつけ、ヤツとの差は今も開いてる……」
ヤツは旧帝大の院に合格したらしい。快挙だ。
「負けるな、負けてたまるか……」
俺は

19: ななしさん ID:1Z3
資格試験に落ちた。
試験直前から一気にやる気が出なくなった。
あと三点差だった。
涙が溢れた。
しばらくは起き上がるのも億劫だった。
あっという間の勉強期間、それは呆気なく終わりを迎えた。

20: ななしさん ID:1Z3
ヤツは卒業した。部活動も引退した。
俺は資格試験以外のことをおざなりにしていたため、留年した。
なんの未練も、出会いも、思い入れもない(部活動でも浮いてたからあんまりいい思い出ない)。
そんな俺も直に大学を数ヶ月遅れで卒業した。
卒業式には出なかった。出る気にならなかった。
追いかけ、努力し、敗北したあとに気付いた。

俺には何も残ってない。
ヤツにはたくさんの思い出、出会い、仲間が残ったんだろうが。

21: ななしさん ID:1Z3
卒業しても、俺には行く宛がない。
バイトは在学中にしていたものを続けているが、やむを得ず働いている。
バイトの同期もみんな就職していった。
「お前もいい加減落ち着いて親を安心させてやれよ」なんてのはもう耳タコだ。
法律家になりたいという夢。将来。現在。過去。
何もかもが、悪い方向に進んでるんじゃないのか。

22: ななしさん ID:1Z3
憧れの人は、家計からしてエリート揃いだというのをかつて聞いたことがある。
エリートの一族……さしずめエリートサイヤ人として生まれたベジータみたいなもんか。
俺も悟空だったらなぁ……いやでもアイツの親父強かったし、これも血筋が良かったから…………

なんてことを考えても仕方ない。俺は平凡な一族に生まれたのだから。

23: ななしさん ID:1Z3
小中高と人から避けられてきて、また人を避けてきて
「他人と馴れ馴れしくつるむのは恥、よもや女なんかと駄べるのはみっともない、恋愛なんて暇人がやることだ」なんて考えるようになってからは

俺は余計なことで苦しむことが増えた。

「このままでいいのか。若い期間を孤独に過ごして俺に何かメリットがあるのか。そのメリットはホントに自分が欲してるものなのか。」

24: ななしさん ID:1Z3
誰にも知られていない。
誰も応援しない。
誰からも心配されない。
誰にも理解されない。
誰からも迎えられない。
誰からも期待されない。
誰も愛してくれない。
誰も受け入れてくれない。

25: ななしさん ID:1Z3
俺の足は止まっていた。
呼吸は荒れていた。走り続けていたからか、はたまたかつてないほどに深い思考に入っていたからか。
足が動かなかった。その場にうずくまった。
「怖い」
今まで、これほど独りでいることを恐れたことがあっただろうか。
俺は恐ろしく危険な領域に足を踏み入れていこうとしているのではないか。
独りであるという恐怖は、徐々におれを蝕んで行った。

26: ななしさん ID:1Z3
もはやヤツとの勝負も、挑む気にならなくなった。
勝てっこねえ。相手は天才だ。こっちは凡人だ。
ヤツはそれに努力もする。無茶もたまにする。
俺は
俺はどうなんだ?
勝ち目はないのか?
勝つ必要なんかないよな?
なんのために戦ってるんだ?
なんのために必死だったんだ?
勝ったところでどうなる?
その先は?
俺が目指すものは?

27: ななしさん ID:1Z3
俺はなんのために法律家になりたいんだ?
何を持って「生きる意味」を見出すんだ?
ただ漠然と生きていくのか?
確固たる意志を持ち努力し続けるのか?
諦めない精神を保ち続けることはできるのか?
ある時ふっと、何もかも諦めてしまうのではないか?
人間社会に溶け込むのか?
独りで生きていくのか?
中途半端に繋がりを保ち続けるのか?

28: ななしさん ID:1Z3
ここまで考えて、俺は屋上から飛び降りようと歩みを進めた。

その直前。

死ねない。

29: ななしさん ID:1Z3
何か背中を冷たいものが伝った気がした。

ここで終わらせたら何もかもが失われる。

ネガティブでも、ポジティブでも、未来が失われる。

誰も望んでいないのに。誰も知らないのに。誰も止めないのに。

ただ、未来が失われるということが怖くて

俺はそのまま引き返した。

30: ななしさん ID:1Z3
深く深く考えてたって

結局は「人と関わる、異性と関わる、それとも関わらない。勉強する、それとも勉強しない。」

しか答えはない。

答えが出てるのに悩み続ける。なんと贅沢でクソみたいな時間の使い方なんだ。

そうして俺は今日も勉強する。鍛える。走る。

全力かどうかは分からない。ただ、これから付きまとう不安と羨望を望んで。

31: ななしさん ID:1Z3
実力差は埋まらんかもね。

36: ななしさん ID:CD1
おもしろい

37: ななしさん ID:nOQ
恋してるのに自覚ないとこうなるんだね…

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