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決別


364: ななしさん 2015/08/19(水)17:29:14 ID:Htq

1908年4月

大家「クビツェクさんに手紙ですよ」

(´・ω・`)「どうも 何かな」ビリー

(´・ω・`)「……」

彡(゜)(゜)「どしたクビツェク」

(´・ω・`)「これだよ よんでごらん」

彡(゜)(゜)「どれどれ」

彡(゜)(゜)「……」

彡(●)(●)「クビツェク、絶対行っては駄目や もし行ったらおまえは愚か者や こんな令状、ワイが破り捨てたる!」

(´゜ω゜`)「あっ、駄目だよ!」


365: ななしさん 2015/08/19(水)17:29:28 ID:geJ

きた!



366: ななしさん 2015/08/19(水)17:35:34 ID:Htq


(´゜ω゜`)「全く、ヒヤヒヤさせないでよ」ゼーゼー

彡(。)(゜)「くそ、一体どうすれば……」

(´・ω・`)「まだ合格になるとは決まってないよ 去年肺病になったし」

彡(゜)(゜)「せやな、とにかく、リンツに戻って兵役検査は受けた方がええ」

彡(●)(●)「だがもし、合格した場合はこっそり越境してドイツに行くんや 絶対ハプスブルク家の兵隊になったらアカン」

(´・ω・`)「そんなことできるのかな…」

彡(゜)(゜)「あと9ヶ月でワイも20や その時がきたらワイはそうするで」

(´・ω・`)「とにかく、音楽院の先生に相談してみるよ」


367: ななしさん 2015/08/19(水)17:43:46 ID:Htq

音楽院

校長「君は音楽院生だから、1年志願兵になる資格がある でも君は職人の息子だから後備兵に志願したほうがいい」

(´・ω・`)「兵役を逃れる為にドイツに行くという方法はどうでしょうか」

校長「!? 悪いことは言わないからやめておきなさい……」

校長「とにかく、ご両親に手紙を出すんだ」

(´・ω・`)「はい」

数日後

父『お前はなんてことを言い出すんだい?』

(´・ω・`)「えっ」

父『国境越えなんてしたら脱走とみなされ罰せられるだろう そしたら故郷に帰ることができなくなり、もう私達と会うこともできなくなる』

(´゜ω゜`)「これは校長先生の言う通りにした方が良さそうだ…」


368: ななしさん 2015/08/19(水)17:44:19 ID:p1d

軍靴の音が聞こえる(左並感)


369: ななしさん 2015/08/19(水)17:51:15 ID:Htq


(´・ω・`)「ということで、後備兵に志願するために今期の授業と学期末コンクールが終わったら一旦リンツに帰るよ」

彡(゜)(゜)「ムム……たとえ3ヶ月といえどもハプスブルクの兵隊に……」

彡(゜)(゜)「まっ、ワイと違ってお前は家族と故郷があるからしゃあないな」

(´・ω・`)「やっぱり自分の時はやるつもりなんだね……」

彡(゜)(゜)「それより、期末のコンサートが近いんやろ? 指揮者への進路が決まるイベント言うてたやないか まずはそれに集中しろや」

(´・ω・`)「うん そうするよ」

こうして、いつも通りの日々が過ぎていった


371: ななしさん 2015/08/19(水)18:01:27 ID:Htq


数ヵ月後 ヨハンネスホール

♪~♪~♪~

(´・ω・`)(よし、カールもソリストも練習どうりにやれてる)

(´・ω・`)(簡単な演奏じゃないけど…このままミスなくいってくれ…!)


バチバチパチパチパチパチパチパチ

(´・ω・`;)(ふぅ、なんとか無事に終わったぞ)

(´゜ω゜`)(でも本当の難関は次…! 僕の作曲したオーケストラ曲がプロの宮廷歌手に歌われるんだ…!)

アーツキホーシタチヨー

(´>ω<`)(これに僕の芸術家人生がかかっている…! どうか…!)


372: ななしさん 2015/08/19(水)18:08:38 ID:Htq


(´・ω・`)(お、終わった… )

パチパチ

(´・ω・`)(お……)

パチパチバチバチパチパチパチパチパチパチバチバチパチパチパチパチパチパチバチバチパチパチパチパチパチパチバチバチパチパチパチパチパチパチ

(´゜ω゜`)(やった…拍手だ…)


楽屋

彡(゜)(゜)「おークビt」

教授松「凄い反響だったぞ 指導したものとして鼻が高いぞ」

(´・ω・`)「教授! ありがとうございます」

校長「いやー期待以上だ ドラフト一位も夢じゃないよ」

(´^ω^`)「またまたそんな…」


ワイワイ ガヤガヤ

(´^ω^`)

ワイワイ ガヤガヤ


彡(゜)(゜)「……」


373: ななしさん 2015/08/19(水)18:14:00 ID:Doi

孤独感がエキサイトしている


374: ななしさん 2015/08/19(水)18:21:34 ID:Htq


(´・ω・`)(一年前まで、僕はほこりっぽい椅子張り職人だった…)

(´-ω-`)(内気な僕がここまでこれたのは、アドルフのおかげだ 感謝してもしたりないよ)

彡(゜)(゜)「おめでとさん」

(´^ω^`)「アドルフ! ありがとう!」


公園

(´・ω・`)「あと2、3日したら、僕はリンツに戻って兵役検査を受けるよ」

彡(゜)(゜)「久々の故郷や 両親と過ごしてこいや」

紳士「そうだよ 里帰りして親孝行しないと」

(´・ω・`)(なんでこの人がいるんだろう)

紳士「今日の指揮は迫真の出来だったらしいじゃないか どこかのオーケストラから推薦もウケたんじゃないか?」

彡(゜)(゜)「え…そうなんか」

(´・ω・`)「えっと…まぁ紹介はされたけど」


375: ななしさん 2015/08/19(水)18:23:28 ID:OTe

紳士ってあのホモか?


376: ななしさん 2015/08/19(水)18:32:32 ID:Htq


彡(゜)(゜)「…… そか よかったなクビツェク」

紳士「で、これからどうするんだ?」

(´・ω・`)「どうするって… 故郷に帰って… 兵役をうけて…」

(´・ω・`)「いずれにせよ、僕達は一緒です」

彡(゜)(゜)「……」


1908年7月



(´・ω・`)「じゃあ、暫くの間お別れだねアドルフ ステファニーのこと、ちゃんと調べておくよ」

彡(゜)(゜)「いや、ステファニーのことは調べんでもええ」

この時、僕はどこか彼に違和感を感じた しかし、それに気付くことはできなかった

彡(゜)(゜)「お前は大人しすぎるからな、軍隊で多民族の奴らに目つけられんように気をつけるんやぞ」

彡(゜)(゜)「特に、ユダヤ人にはな」


377: ななしさん 2015/08/19(水)18:39:39 ID:Htq


『都会には卑怯者しかいない 英雄が生まれるのは田舎だ そして、田舎にユダヤ人はいない
ーーハインリヒ・ヒムラー』

彡(゜)(゜)「じゃあなクビツェク」ガシッ

彼は僕の両手をとり(彼が両手を握ることは珍しいことだった)、しっかり握りしめた

(´・ω・`)「うん、またね」

それから彼は回れ右して、一度も振り向かずに、少し早足で出口に向かった

こうして、僕はリンツへ一時帰還した


378: ななしさん 2015/08/19(水)18:45:27 ID:LBL

「(アカン)」


383: ななしさん 2015/08/19(水)18:57:14 ID:BUy

周りから祝福されて順調な親友を見て何を思う


380: ななしさん 2015/08/19(水)18:50:33 ID:Htq


リンツ

(´・ω・`)(両親は、僕を快く迎えてくれた)

(´・ω・`)(久々の故郷はちっとも変わっていなかった ドナウ川も、それに跨がる橋も)

(´・ω・`)「父さん、仕事を手伝うよ」

父「すまないな」

(´・ω・`)「父さんは凄いよ たった一代でここまで事業を築くなんて」

父「まだ職人仕事を尊重してくれてるみたいだな うれしく思うぞ」


(´・ω・`)(アドルフはああ言ったけど、どうせ後になって騒ぐんだからステファニーのことを調べておこう)

(´・ω・`)(いないな… 一家全員ということは避暑にでも出掛けたのかな?)


381: ななしさん 2015/08/19(水)18:52:40 ID:7hF

これは…


382: ななしさん 2015/08/19(水)18:55:10 ID:izk

パーツが揃ってきたンゴねえ


384: ななしさん 2015/08/19(水)18:58:22 ID:Htq


(´・ω・`)(あれから、アドルフと何回か手紙のやり取りをした 冗談を言ったり、最後に親愛なるご両親によろしく、と付け加ええているいつも通りのものだ)

(´・ω・`)(そして帰る日が決まり、手紙にその日時を書いた)

11月20日



(´・ω・`)「あの柱の下が、いつもの待ち合わせの場所なんだよね」

(´・ω・`)「あれ…いない」

(´・ω・`)「さてはまた寝坊してるんだな…全く 手紙に書いたのに…」

20分後

(´・ω・`)「……待合室にいるのかな?」


386: ななしさん 2015/08/19(水)19:06:19 ID:Htq


(´・ω・`)(……)

(´・ω・`)「もう一度ホームに行ってみよう」

1時間後

(´゜ω゜`)「おかしいな… 時間を破るなんて彼かしくない」

(´・ω・`)「まさか……病気!?」

(´゜ω゜`)「そうに違いない! そういえば手紙にまた気管支カタルがぶり返してるって書いてた! いそいで借家に行こう!」

借家前

大家「あらこんにちは」

(´@ω@`)「こんにちは!」

大家「……どこへそんなに急いでるんです?」

(´・ω・`)「どこって……ここは僕達が借りてる家じゃないですか!」ガチャガチャ

(´゜ω゜`)「あれ、開かない」

大家「もしかして何も知らないのですか?」


387: ななしさん 2015/08/19(水)19:09:29 ID:stC

何があったんや…


388: ななしさん 2015/08/19(水)19:11:09 ID:Htq


(´・ω・`)「……え?」

大家「ヒトラーさんは引っ越しましたよ」

(´゜ω゜`)「ええっ!?」

(´・ω・`)「か、彼はどこに引っ越したのでしょうか?」

大家「そのことについては何も」

(´・ω・`)「しかし彼は僕宛てに何か残したはずです 手紙とかメモ書とか それはどこに?」

大家「いいえ、ヒトラーさんは何も残さなかったわ」

(´・ω・`)「挨拶もなしですか!?」

大家「何も言わなかったのよ」

(´ ω `)


389: ななしさん 2015/08/19(水)19:11:27 ID:ciS

えっ…('A`)


390: ななしさん 2015/08/19(水)19:11:27 ID:7hF

かなc


392: ななしさん 2015/08/19(水)19:24:21 ID:Htq


(´ ω `)(彼は自分の分の家賃を払い、姿を消した 次の日から、僕は独り孤独に新しい部屋を探しに出掛けた)


(´・ω・`)「ここでいいかな…」

(´-ω-`)(アドルフ…一体何があったんだ… 思い返しても、理由がみつからないよ)

(´・ω・`)(きっと、ひょっこり現れるに違いない 元大家さんや学校、実家に僕の住所を教えておこう きっと彼が辿ってくるはずだ)

しかし、一週間たっても、翌週になっても、アドルフは来なかった


(´・ω・`)(確かに、ピアノを弾いたら怒ったり部屋中をうろうろしたり急に演説を始める同居人がいない方が勉強は捗るかもしれない)

(´-ω-`)(でも、それじゃ駄目なんだ 君がいなければ僕の人生は平凡で退屈にしか思えないんだ)


393: ななしさん 2015/08/19(水)19:31:36 ID:ZKY

(クビツェクみたいな友人がいなくて)辛いです…


394: ななしさん 2015/08/19(水)19:47:44 ID:Htq


劇場

(´・ω・`)(ここにくれば、アドルフに会えるかもしれない)

(´・ω・`)(『真夏の夜の夢』……か)

(´・ω・`)(ああ、いい…けど、一人だけじゃ感想は言い会えない…面白さも半減だよ…)

(´・ω・`)(そういえば、リンツの劇場ではいつも柱の下で二人で見てたな…)チラ

※※※

(´゜ω゜`)「あ、アドルフ!?」

(☆…●)

(´・ω・`)「すいません…人違いでした」


395: ななしさん 2015/08/19(水)19:53:10 ID:Jsg

切ないなぁ…


396: ななしさん 2015/08/19(水)19:59:48 ID:Htq


(´・ω・`)(あれから一年がすぎた)

(´・ω・`)(ある情報によると、彼は貧民街の独身者合宿所に行ったらしい)

(´・ω・`)(でも今は、どこにいるか解らない 兵役から逃れる為にドイツへ行ったか、それを無視してまだウィーンにいるか…)

(´・ω・`)(彼は、大都市の闇に姿をくらませた)

(´・ω・`)(彼には、もう友達がいなかった 大都市の真ん中にいる人ほど孤独なものはない 彼が選んだ道は辛く険しいものだった)


彼は、自分の貧乏を恥じており、もう友達が欲しくなかったのだ


(´^ω^`)『もしオーケストラの指揮者の推薦が決まったら、もっと僕が家賃を負担できるようになるよ!』


彼が選んだ運命の道は、孤独、荒涼、虚無に通じる道だった


397: ななしさん 2015/08/19(水)20:02:08 ID:Htq

最終話・総統兼帝国宰相アドルフ・ヒトラーに続く


402: ななしさん 2015/08/19(水)21:57:19 ID:1Tu

おお、もう


398: ななしさん 2015/08/19(水)20:09:32 ID:Doi

やっぱりここが転機だったんだな……
別れる前に別れを悟ってたみたいだし、もうその時には何か起きてたのかな


399: ななしさん 2015/08/19(水)20:13:26 ID:ybb

>>398
この頃にナチスに染まったはず


400: ななしさん 2015/08/19(水)21:14:49 ID:Zwy

切ないなあ…


419: ななしさん 2015/08/22(土)00:48:37 ID:yYk

お別れをいわんかったのは、もう住む世界が違うっていう悲しさからなんやろか
唯一の友達への嫉妬や疎外感を抱えたくなくての事なんやろか


420: ななしさん 2015/08/22(土)10:16:13 ID:AGs

憧れの芸術の世界へ進む親友への贐だったんかもしれんな


704: ななしさん 2018/02/19(月)10:16:28 ID:pSC

>>420
人間関係において、何かと「腐敗」を考えてるから、自分より優秀な友人を自分が腐敗させてしまうと考えたんかもしれん


405: ななしさん 2015/08/20(木)00:11:54 ID:bQP

悲しいなぁ…


417: ななしさん 2015/08/21(金)22:31:59 ID:Oqi

アカン楽しみすぎて・・・
もう最終章かぁ・・・


「アドルフ・ヒトラー」


421: ななしさん 2015/08/22(土)11:10:25 ID:heO


1912年 私立劇場

ザワザワ ザワザワ

ヴー

『ロルツィングの【刀鍛冶】指揮者 アウグスト・クビツェク』

(´・ω・`)ノ ̄サッ

♪~♪~♪~♪~

(´・ω・`)(音楽院での徹底的な四年間の勉強の後、僕はスロヴァキアの私立劇場の補助指揮者になった)

(´・ω・`)ノシ\(そしてこの舞台が僕の指揮者デビューだ!)

(´-ω-`)ノ ̄

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424: ななしさん 2015/08/22(土)11:19:19 ID:heO


『続いてホロトウ【マルタ】』

(´・ω・`)ノ ̄ジャカジャン

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(´・ω・`)(この最初の本格的な仕事は成功に終わった)

(´・ω・`)(スロヴァキア…アドルフから聞いていた話でいいイメージはなかったけど、そんなことはなかった 結局、それは偏見でしかなかった)

支配人「素晴らしい!来シーズンまでの契約を早速結ぼう」

(´・ω・`)「はい これからよろしくお願いします」

(´・ω・`)(それから、僕はスロヴァキアをまわった 南の田舎から聞きにきてくれる人もいた)

スロヴァキア とある街

『続きまして『エヴァ』 指揮者アウグスト・クビツェク』

(´-ω-`)スッ

♪~♪~♪~♪~♪

???「ほう…あの指揮者…使える」


425: ななしさん 2015/08/22(土)11:27:26 ID:heO

公演後 楽屋

支配人「クビツェク君、君に会いたいという人が来ている」

(´・ω・`)「はぁ」

(´゜ω゜`)「あ、あなたは!」

大オペラ監督「君がクビツェク君か 君に来年、1914年に私のオペラで指揮者をやって貰いたい」

(´・ω・`)「ぜひ、是非お願いいたします!」

(´・ω・`)(やった! クラーゲンフルトの楽団といったら40人のオーケストラに美しい劇場、近代的な設備もある そしてケルンテンの州都、つまり都会だ!)

(´^ω^`)(やったやった! もう最高だよ!)

申し分なかった 僕はこの時、幸福に酔いしれていた


426: ななしさん 2015/08/22(土)11:37:23 ID:heO


数ヵ月後 1914年

ドガーン バパパババパパバパパ
ヒュルルルルルルルル ズガッ 突撃ィー!!! ママー
(´゜ω゜`)
パンパンパンパンパン ドヴルルルルルルルル
ロシアジンダ!コロセ! パンパンパンパンパン ドガー

(´゜ω゜`)(僕は…なんでこんなところに…今頃『ローエングリン』の指揮をしていた筈じゃ…)

アパーム!タマモッテコーイ フゥアハハハー パンパンパンパンパン
大砲ヨーイ ズガーン パパパパパパパ

軍曹「伏せろ、クビツェク二等兵!」

(´゜ω゜`)「うわああ」

ズガーン

軍曹「死にたいのか貴様! 常に腰を低くしていろ!」

(´゜ω゜`)「はい……」


427: ななしさん 2015/08/22(土)11:46:21 ID:heO


士官「我々はこれからガリチアに向かう! ロシア熊どもから祖国を守るのだ!」

(^q^)(°∀°)『サー、yes、サー!!!』(゜ロ゜)(´゜ω゜`)

ウオオオオオオ?? 砲火だ! ズガーーーー ウアアアアア
パパパパパパパパパパパパパパ ドガーン
(´゜ω゜`)(とにかく、今は生き残ることだけ考えよう……)
ガガガガガガガガガガガガ トツゲキー
ズガーン

1915年

(^q^)「クビツェク、よけろー!!」

(´・ω・`)「えっ」

ズガーーーーーン

(´。ω゜`)「うああああ!!!!」

(^q^)「衛生へーい!!」


428: ななしさん 2015/08/22(土)11:49:12 ID:a7A

あぁ...


429: ななしさん 2015/08/22(土)11:58:40 ID:heO

野戦病院

(´・ω・`)(ああ…なんとか命拾いした…でも、重症の人はみんな棄てられていく…)

(´-ω-`)(僕も覚悟を決めておこう…)

上官「アウグスト・クビツェク二等兵、回復したな 次の戦地が待ってるぞ」

(´・ω・`)(助かった……いや、また地獄に行くだけか……)

上官「その前に1ヶ月の休暇が下りた 故郷で過ごすといい」

(´・ω・`)「はっ」

リンツ

(´゜ω゜`)「えっ…ここがリンツ…? ここまで荒れ果ててたなんて…」

父「クビツェク…生きてたか…そうか…神はまだお前を見捨てなかったか…」

(´・ω・`)「父さん…店は…」

父「もう…疲れた 店は閉める ここら一体みんなそうさ」

(´・ω・`)「……」


430: ななしさん 2015/08/22(土)12:07:33 ID:q0i

唐突な当たり前の急転直下
辛い時代ンゴ…


431: ななしさん 2015/08/22(土)12:08:19 ID:heO


1917年

(°∀°)「やった!ロシアで革命が起こったぞぉー!!」

(´・ω・`)「やった!これで帰れる…?」

(^q^)「次はイタリアが攻めてきたぞぉー!!」

(´ ω `)「ええ…」

1918年

母『戦地で頑張る息子へ この度、父が死去しました』

(´;ω;`)(父さん…もっといい晩年を送って欲しかった…何もこんな絶望と悲痛の中逝かなくてもいいじゃないか…)

ーーーーー
ーーー


(°∀°)「俺達は……負けた」

(^q^)「……ちのう」カチャ

(°∀°)「……俺も」カチャ

(´゜ω゜`)「あっ…駄目だよ!!」

バンバン

(°∀°)「」(^q^)

(´゜ω゜`)「あう…あう…」

( ・`ω・´)「折角命拾いしたのに…馬鹿な奴らだ」


432: ななしさん 2015/08/22(土)12:16:33 ID:heO


(´゜ω゜`)「上官……」

( ・`ω・´)「クビツェク二等兵、ここで俺達の部隊は解散だ」

(´・ω・`)「上官…僕はこれからどうすればいいのでしょうか」

( ・`ω・´)「そうか、お前は元音楽家だったな これからの時代生きていくのは厳しいだろう」

( ・`ω・´)「取り敢えず、故郷に帰れ」

(´゜ω゜`)「はい」トボトボ

( -`ω-´)(あいつも、不運な奴だ 時代が違えば名のある音楽家になれたものを…)

( ・`ω・´)(だが、戦争では落ちぶれる奴がいるのと同時に成り上がる者もいるものだ 革命と同じだな)

( ・`ω・´)(取り敢えず、俺はドイツの義勇軍にでも入るか)


433: ななしさん 2015/08/22(土)12:23:50 ID:heO


ウィーン

(´・ω・`)「あの、この劇場で指揮者や奏者は募集してますか」

支配人松「こんな時代やってる訳ないぞ」

(´・ω・`)「はい…わかりました」

(´・ω・`)「あの、ここで」

従業員「ああ!?忙しいんだ帰ってくれ!」

(´゜ω゜`)「そりゃそうさ…敗戦国が呑気に音楽なんてやれる訳がない やってるとしても国営劇場外側くらい…」

(´゜ω゜`)「でも、そんな大きいところで僕みたいな新米を雇ってくれる訳ない…」

(´゜ω゜`)「映画館の楽長…取り敢えずこれで食いつなぐか…」


438: ななしさん 2015/08/22(土)12:46:57 ID:heO


(´・ω・`)(この仕事も人件費削減ですぐ終わった…)

(´゜ω゜`)(せめて、個人レッスンの契約でも見つけなきゃ……!)

数日後

(´・ω・`)(誰も見向きもしない… 万事休す…か)

母『クビツェクへ 隣り街の役場で職員を募集しています 市長もあなたの音楽的才能について関心をもってくれています』

(´・ω・`)(音楽と…全く関係ない 母さんはそれをわかってるみたいだ)

(´・ω・`)(背に腹は変えられない…か)

リンツの隣り街 エファーディング

市長松「受験番号334番アウグスト・クビツェク君」

(´・ω・`)「はい」

市長松「合格だぞ」

(´・ω・`)「…ありがとうございます」


この瞬間、僕の音楽家への道は終了した


440: ななしさん 2015/08/22(土)12:57:20 ID:heO

(´・ω・`)(でも、僕は幸せ者なんだよね 今オーストリアじゃあ自分の夢どころか今日のパンにすら事欠く人が大勢いるんだ)

(´・ω・`)(夢なんて…贅沢なこと言ってられないんだ…)

(´;ω;`)


こうして、僕は役人になった


1920年

(´・ω・`)(生計は楽じゃなかったけど、段々音楽の趣味に捧げる時間もできてきた)

(´・ω・`)(そして、街の仲間とオーケストラを立ち上げた 小さな町の小さな楽団だ 仕事をしながらたまに野外コンサートをしたりした)

「待ち受け番号334番ハンス・ヒトラーさん、5番窓口にどうぞ」

※ヒトラーという姓は、オーストリアではそれほど珍しくない

(´・ω・`)(ん)

(´・ω・`)(アドルフ…か 懐かしいな あの頃は、本当に楽しかったなぁ)

(´・ω・`)(そういえば、彼は今何をしてるんだろう)


441: ななしさん 2015/08/22(土)13:11:03 ID:heO


(´・ω・`)(ゲルマンの英雄に憧れていた彼だ きっと僕よりも立派な兵士になったんだろうな)

(´・ω・`)(もしかしたら、戦死…?)

上司「クビツェク君、書類はまだかい?」

(´・ω・`)「はい、只今」

(´・ω・`)(ま、アドルフなら生きてたら有名な建築家か芸術家になっているんだろうな)


この時、僕は彼がミュンヘンの政治家になっているとは思いもしなかった


数ヵ月後

(´・ω・`)「うーん、中々景気は回復しないなぁ」シンブンパラー


『彡《●》《●》

国家社会主義の著名な大衆演説家、アドルフ・ヒトラー』


(´・ω・`)「」ピタッ

(´゜ω゜`)「はい?」


442: ななしさん 2015/08/22(土)13:14:39 ID:a7A

キタ...


443: ななしさん 2015/08/22(土)13:17:50 ID:BqE

あっ…('A`)


444: ななしさん 2015/08/22(土)13:27:58 ID:heO


(´・ω・`)(そうか…アドルフも芸術家の道はあゆめなかったんだな…)

(´-ω-`)(……)

1923年

『アドルフ・ヒトラー 逮捕』

(´・ω・`)(余りま驚くニュースでもないかな)

(´・ω・`)(でも、彼が読んでた「群衆心理」で言ってたけど先導家って一回失敗したらもう終わりなんじゃ…)

しかし、彼は、甦った

(´・ω・`)(最近は、このオーストリアの新聞でもアドルフの名前をよく見るなぁ)

「大ドイツ主義いいゾ~これ」
「ヒトラー氏(オーストリアに)入って、どうぞ」
「(英仏政府)これもうわかんねぇな」
「(ユダヤ人)†悔い改めて†」


445: ななしさん 2015/08/22(土)13:36:50 ID:heO


(´・ω・`)(アドルフはすごいな 昔は僕一人だけしか彼の話を聞いていなかったのに今は数万人が聞いてる)

(´・ω・`)(ん……なんだろうこの違和感は)

(´゜ω゜`)「あっ!」

クビツェクの家

(´・ω・`)「あった…!このトランク、アドルフの葉書、手紙、スケッチが沢山ある」

(´・ω・`)「送るべき…かな?」

(´・ω・`)「う~ん、でも、僕のことなんてもう覚えてないよね 取り敢えず保管しておこう」

そして1933年、アドルフ・ヒトラーは帝国宰相となった

(´゜ω゜`)「……」

(´・ω・`)「よしっ、一筆書くか」


449: ななしさん 2015/08/22(土)13:44:04 ID:yYk

>>445
いつも一緒にいて夢を語ったり趣味を楽しんだり恋の話して
暮らしてた友達を忘れるわけないやんけ・・・切ないで・・・


446: ななしさん 2015/08/22(土)13:39:34 ID:q0i

クビツェクちゃんは何も知らなかったんやな……急展開しまくりだし仕方ないのか


450: ななしさん 2015/08/22(土)13:44:13 ID:a7A

凄かったからなヒトラーの成り上がりは


448: ななしさん 2015/08/22(土)13:43:10 ID:heO


(´・ω・`)(僕は勿論返事を期待していなかった)

(´・ω・`)(帝国宰相は忙しくて、25年も前の友人に返事を書く暇なんてないだろうから…)

(´・ω・`)(でも、政治的なことは抜きにしても、旧友としてお祝いを述べる必要はあるよね)

一ヶ月後

郵便屋「ク、クビツェクさんお、お、お便りです…」

(´・ω・`)「はい(なんでこんなに怯えてるんだろう?)」

(´・ω・`)「えーと、差出人は…」

(´゜ω゜`)「アドルフ・ヒトラー」


451: ななしさん 2015/08/22(土)13:45:11 ID:BqE

涙で、でますよ…


452: ななしさん 2015/08/22(土)13:48:51 ID:heO


彡(゜)(゜)

『親愛なるクビツェク!

今日やっと君の手紙を見た。就任以来、膨大な量の手紙を見るので、こういうことは珍しくないのだ

それだけに、長い年月の末に初めて君の消息と居場所がわかって、とても嬉しい

困難な闘争の日々が終われば、僕よりも喜んで我が人生最良の日々の思ひ出にまた浸りたい

君が僕のところに来ることは可能だろうか 旧友を想いながら、君と君の母上にご多幸をお祈りします
アドルフ・ヒトラー』

彡(゜)(<)


454: ななしさん 2015/08/22(土)13:52:33 ID:sOG

ぐう泣ける


453: ななしさん 2015/08/22(土)13:52:28 ID:yYk

手紙の最後、親にふれるいつもの結び方や・・・
クビツェクのパッパマッマの安否状態知っててくれたんか・・・


456: ななしさん 2015/08/22(土)13:54:16 ID:a7A

ヒトラーは本当は弱い人やからね
近くにクビツェクがずっと居ればなぁ...


457: ななしさん 2015/08/22(土)13:56:25 ID:heO

(´・ω・`)

『我が人生最良の日々』

(´・ω・`)

(´;ω;`)「うっ……うっ……うあああああ

ーーーーー
ーーー


『君が僕のところに来ることは可能だろうか』

(´・ω・`)「うーん、これどういうことだろ 僕がオーバーザルツブルクの山荘に? いやそれはないな…」

(´-ω-`)「それに、一体何を話せばいいんだ……僕は政治的な意見なんて言えないし、何より戦争は音楽ができなくなるから嫌だよ…」

(´・ω・`)「どうしようかな」

しかし彼は1938年にオーストリア国境を超え、かつて父が税関使として働いていたブラウナウに入った


459: ななしさん 2015/08/22(土)14:09:07 ID:heO


ドイツ国防軍はオーストリアに進駐

3月12日の夕方、ヒトラーはリンツの市長舎のバルコニーで演説した



(´・ω・`)「よし行くぞ」


僕は彼が泊まるホテルへ向かった


ザワザワ ザワザワ ハイル! ザワザワ
ザワザワ ハイル! ザワザワザワザワザワザワ

(´゜ω゜`)(うわ、凄い人だかりだ)

(´・ω・`)「ちょっとすいません……」

ナンダアイツ アンナマエニデテナニヲ?

(´・ω・`)「あの…帝国宰相と話がしたいんですが」

SS「はぁ?(イカれてんなコイツ)」

ソウトウニアワセテダッテヨ プーナニアノオヤジ ヤマダタロウオツ


460: ななしさん 2015/08/22(土)14:16:08 ID:sOG

感動の再会来るんか?


461: ななしさん 2015/08/22(土)14:18:22 ID:heO


(´・ω・`)「この手紙を…」

SS「……少々お待ちを」

SS「中に入って、どうぞ」

ウオオトオサレタゾ イッタイナニモノナンダ

(´゜ω゜`)(うああああ 新聞で見るような人ばっかりだ)

(´゜ω゜`)(そうか!明日はオーストリア併合の国民投票をやる前日だ とんでもないタイミングで来てしまったぞ…)

ジロジロ ジロジロ

(´;ω;`)(か、帰りたい……)

SS「この部屋です」

(´・ω・`)(もうここまで来たんだ 行くぞ…)

(´・ω・`)(アドルフ…は駄目だよね 礼儀正しくしないと アドルフはそういう無礼なのが嫌いだったし…)

(´・ω・`)(ゴクリ…)

ガチャ


473: ななしさん 2015/08/22(土)19:31:38 ID:sOG

アドルフがどんな態度でクビツェクに接するか気になるわ
2人で暮らしてた頃のままやとええなぁ


474: ななしさん 2015/08/22(土)20:15:53 ID:heO


彡(゜)(゜)「ん?」

(´・ω・`)

彡(゜)(゜)「お、クビツェクやんけ!」

ザワザワ 「総統と親しげに…」「な、なんだと…」「うらやましい…」 ザワザワ 「一体奴は何者だ」

(´・ω・`;)「え…えと…」

(´^ω^`;)「お、お久しぶりです総統閣下 この度は急に押し掛けてしまい申し分ありません 今日のお日柄もよく…えと…」

彡(゜)(゜)「はは…」

彡(^)(^)「上出来や、クビツェク! ついにお前も他の連中と同じことを言うようになったな」

(´^ω^`;)「あ、あはは…は…」

彡(゜)(゜)「よっしゃ!こっちに来いや!」


477: ななしさん 2015/08/22(土)20:24:20 ID:eFB

ヒトラー寂しそうや…
脚色やろうけど…


478: ななしさん 2015/08/22(土)20:24:50 ID:heO


通された場所は、バルコニーからリンツが一望できる部屋だった


彡(゜)(゜)「クビツェク、お前は本当にあの頃のままや お前がどこにいても、ワイならすぐに見分けられたで お前は何も変わっとらん ただ年をとっただけや!」

彡(^)(^)「久しぶりに会えて嬉しいで! まぁ座れや」

(´・ω・`)「あ、ありがとうございます」

彡(-)(-)「スマンな 本当はもっと長話したいんやが…」

彡(゜)(゜)「今のワイにはブライベートはなく、普通の人みたいに振る舞うことができないんや」

(´・ω・`)「はい、理解できています」

彡(゜)(゜)「見ろや、ドナウ川に架かるあの橋を」

彡(>)(<)「まだ架かっとるんか 昔と変わらんボロいままや!」


479: ななしさん 2015/08/22(土)20:26:11 ID:6Fe

涙出るで


480: ななしさん 2015/08/22(土)20:32:54 ID:heO


彡(゜)(゜)「ワイは断言するで! あの橋をあのままにはせん」

彡(^)(^)「でもな、ワイはまたお前とあの橋を渡ってブラブラ歩きたいんや」

彡(-)(-)「だがそれは無理や ワイが現れれば、皆がついてまわる」

彡(゜)(゜)「しかしクビツェク、信じてくれや ワイはリンツに対してたくさんのことをしてやるつもりや」

(´・ω・`)「あの計画ですね」

彡(^)(^)「せや! 今こそあれを実現するで! まずはでかいオーケストラからや!」

(´・ω・`)(彼は青春時代に企てたすべての計画を再び披露した まるであの頃から30年ではなく、せいぜい3年しか経っていないかのようだった)


481: ななしさん 2015/08/22(土)20:37:37 ID:E4w

アドルフ・・・


482: ななしさん 2015/08/22(土)20:41:52 ID:heO


彡(゜)(゜)「ところで、お前は何になったんや、クビツェク?」

(´・ω・`)「私は地方官司になり、助役になりました」

彡(゜)(゜)「助役とはどういうもんや」

(´・ω・`;)「え、ええと…つまり、役人です」

(´゜ω゜`)(し、しまった!これだけは口にしちゃいけないと決めていたのに!)

彡(゜)(゜)「そか、役人か…書記か けれども、お前には合わんやろ お前の音楽的才能はどこにいったんや」

(´・ω・`)(僕は話した 敗戦によって僕の音楽の道は台無しになり、飢え死にしたくなかったので、転職したことを)

彡(-)(-)

彡(゜)(゜)「せや、敗戦や」

彡(゜)(゜)「クビツェク、お前は役場書記のまま終わるべきやない」


486: ななしさん 2015/08/22(土)20:50:13 ID:heO


ーーー

彡(゜)(゜)「そか この小さな町で小さなオーケストラを…素晴らしいことや どんな交響曲を演奏しとるんや」

(´・ω・`)「シューベルトの『未完成』、ベートーヴェンの『英雄』『運命』、モーツァルトの『ジュピター』などです」

彡(゜)(゜)「そか それならワイはお前を援助せなな 報告書を作って送ってくれや それと、何か悩んだでることはないか」

彡(^)(^)「ワイがパパーッと解決したるで!」

(´・ω・`;)「い、いえ…つつましながらも十分生活は出来てるので特に希望はありません」

彡(゜)(゜)「ファ!?大抵のの奴は喜んで頷いてたで」

(´・ω・`)「そ、そうですか…」


488: ななしさん 2015/08/22(土)20:51:46 ID:6Fe

ヒトラーのこういう面は全く知らなんだ


489: ななしさん 2015/08/22(土)20:53:19 ID:bsK

けどクビツェクは敬語か…
あの頃はもう戻らないんやね…


490: ななしさん 2015/08/22(土)21:01:08 ID:heO


彡(゜)(゜)「ところでクビツェク、子供はおるか?」

(´・ω・`)「ええ、3人います」

彡(゜)(゜)「3人もか!」

彡(-)(-)「ワイには家族がおらん 一人ぼっちや だが、お前の子供達の面倒をみてやりたいやで」

(´・ω・`)(彼は子供について詳しく知りたがった 3人とも芸術的才能があると言うと、彼は喜んだ)

彡(゜)(゜)「クビツェクの子供にはワイらみたいに貧困で苦しんでほしくないんや」

彡(-)(-)「お前と別れてから、ワイは最悪の日々を送った 若い才能が困窮のために破壊されるようなことがあってはならんのや」

彡(゜)(゜)「だから子供達に援助させてくれや!
リンツのブルックナー学院に入れさせるで」

(´・ω・`)(僕がそれを断ると、彼はそれでも食い下がった)

彡(゜)(゜)「そ、それくらいはさせてくれや! 他ならぬ、クビツェクの息子や 遠慮するなや!」

(´・ω・`;)「えと…やはりそういう訳には…」

彡(。)(゜)「むむ…流石ワイの親友や…他の奴に通用する手が全く通じん…」


491: ななしさん 2015/08/22(土)21:01:10 ID:hSm

クビツェクのこういうところがヒトラーに気に入られたんやろな


492: ななしさん 2015/08/22(土)21:06:52 ID:stK

>>491
逆に、クビツェクと真反対の人間ばかりがヒトラーを囲んどったんやなぁ…


493: ななしさん 2015/08/22(土)21:09:43 ID:c2C

敬語はやっぱり取れへんのやな…


494: ななしさん 2015/08/22(土)21:12:11 ID:heO


副総統「総統、流石にそろそろ」

彡(゜)(゜)「ファ!? もうこんな時間か!」

(´・ω・`;)「あ、そうでした! これを!」

彡(゜)(゜)「これは…ワイの画材や絵葉書か…」

彡(゜)(゜)「クビツェク、これらはお前だけの所有物や これをどうしようとワイは一切関与する気はあらへん」

彡()()「全く、最近はワイが書いた絵だと言って高値で贋作を売るアホがおるんや」

彡(●)(●)「覚えとるか!?ワイが学生時代に肖像画のペアを組まされたやつを! あいつ、ワイとほとんど喋ったこともない癖にワイの学生時代の伝記書きよった!!」

彡(゜)(゜)「そういうものはワイのことを本当に知っとる人物だけが書くべきや もしそういう人物がいるとすれば、それはお前や、クビツェク」

彡(●)(●)「ヘス副総統、このことを直ちに記録しておくように」

ヘス「はい総統」

彡(^)(^)「ほなまた会おうや、クビツェク」


495: ななしさん 2015/08/22(土)21:19:40 ID:9ND

アドルフ……


496: ななしさん 2015/08/22(土)21:26:26 ID:heO


(´・ω・`)(あれから、僕の静かで目立たない生活は急に騒がしくなった)

(´・ω・`)(まず僕の所有物が狙われた ssの不良隊員や欲深な連中がよく家にきた)

役所

(´・ω・`)「あの、この書類についてなんですが」

職員「は、はい…なんでしょうか…」

(´-ω-`;)(明らかに怖がられてる…たまにそうでない人がいてもコネ狙い…)

(´・ω・`)(でも新たな知り合いもできた 副総統のヘスだ 彼は他のss隊員や高官と違い、興味深そうにアドルフのことについて聞きたがった)

(´^ω^`)「そこで彼は言ったんですよ『彼女と一緒にドナウ川に飛び込む』って」

ヘス「ははは、女性に対しては昔からそうだったんですねぇ 今お付き合いなさっているブラウン嬢も…」

(´^ω^`)「あはは、付き合った女性3人が自殺未遂……! ははは……は…」


497: ななしさん 2015/08/22(土)21:29:05 ID:WFH

ひぇ……。


498: ななしさん 2015/08/22(土)21:48:23 ID:heO


(´・ω・`)(そして、是が非でも援助を受けない僕に業を煮やしたアドルフは僕にあるチケットを送ってくれた リヒャルト・ワーグナーの祝賀劇の招待状だ! それは、あくまで彼の友人としてだ)

(´;ω;`)(その公演は僕の叶わぬ夢だった! 美しい名曲、見ることすらできなかった巨匠! もう死んでもいいとすら思えた…!)

彡(゜)(゜)「ワイが見ることができるのは、この上演だけや だが仕方ない、戦争なんや」

彡(-)(-)「この戦争のせいで、ワイの建設事業は何年も後戻りしてしまったんや 残念や ワイは戦争をするために帝国宰相になったんやない…」

(´・ω・`)「……」

彡(゜)(゜)「クビツェク、お前も知っとるやろ どれ程ワイに建設したいものがあるかを」

彡(●)(●)「戦争なんて糞や! ワイの建築計画を邪魔しおってからに……!」

(´・ω・`)(フランスに勝利した後こんなことを言うなんて思いもしなかったよ…)

彡(゜)(゜)「戦争が終わったら、ワイはまたお前を呼ぶ そして一緒に新しい建築を考えるんや」

彡(゜)(゜)「お前はいつもワイのそばにいなけりゃならんのや」

ヴー

パチパチパチパチパチパチパチパチ


こうして、最後の演目『神々の黄昏』が終わった 彼は別れ際に言った



彡(^)(^)「ほな、また!」


しかし、その約束は果たされることはなかった


499: ななしさん 2015/08/22(土)21:55:20 ID:heO


1945年4月

彡(゜)(゜)「お、拳銃と青酸カリやんけ! 同時に使ったろ!」

AA
アドルフ・ヒトラー 死亡

8日後 ドイツ降伏


500: ななしさん 2015/08/22(土)21:58:15 ID:laU

悲しいなあ…


501: ななしさん 2015/08/22(土)21:58:21 ID:6Fe

なんでこんなことになってしまったんや…


503: ななしさん 2015/08/22(土)22:02:40 ID:heO

1946年 グラーゼンバッハ収容所

CIA「あなたはアドルフ・ヒトラーの友人なのですか?」

(´・ω・`)「はい」

CIA「いつから?」

(´・ω・`)「1904年からです」

CIA「それはどういうことですか?当時彼はまだとるに足らない人間だったはずです」

(´・ω・`)「それでも私は彼の友達でした」

CIA「なるほど それであなたは彼から何か貰いましたか?」

(´・ω・`)「いえ何も」

CIA「後年の彼はあなたを歓迎しましたか?」

(´・ω・`)「はい」


504: ななしさん 2015/08/22(土)22:08:16 ID:heO


CIA「どうやって彼に会ったのですか?」

(´・ω・`)「私の方から出向きました」

CIA「それであなたは彼と一緒にいたのですか? 本当に? すぐそばにですか?」

(´・ω・`)「はい、すぐそばにいました」

CIA「二人だけで? 警備なしで?」

(´・ω・`)「二人だけで、警備もなしです」

CIA「それなら、あなたは彼を殺すこともできたでしょう?」

(´・ω・`)「できたと思います」

CIA「ではなぜ、彼を殺さなかったのですか?」

(´・ω・`)「彼は、私の友達だからです」


508: ななしさん 2015/08/22(土)22:14:47 ID:heO


1947年4月

CIA「もう帰ってくるなよ」

(´・ω・`)(僕何もしてないんだけどなぁ…)

(´・ω・`)(僕ももう57歳か)

(´-ω-`)「……」

集まれ!集まれ!

(´・ω・`)「ん」

急いでこっちに来い!

(´・ω・`)「『リエンツィ』……か 久しぶりに見てみるか もうほとんど瓦礫みたいな劇場だけど」


509: ななしさん 2015/08/22(土)22:21:38 ID:heO


劇場(急ごしらえ) 中

(´・ω・`)「お、この崩れた柱が腰掛けるのに丁度いいや」

石を持ってこい 松明を持ってこい!

(´・ω・`)「よっこらしょ…腰が痛いなぁ 戦中の瓦礫運びが効いたな…」

奴は呪われた 奴は破門された!

(´・ω・`)「……」

私が引き上げてやった民衆たちも、私を見捨てた

私の幸運に集まってきた友達たちも、私を見捨てた……

(´・ω・`)「……」

(´・ω・`)(……)

(´-ω-`)(……)


510: ななしさん 2015/08/22(土)22:24:32 ID:heO


1956年 アウグスト・クビツェク 死去

彼の残した著書は青年期のヒトラーを詳細に記した数少ない資料として今日も参考にされている


511: ななしさん 2015/08/22(土)22:24:54 ID:CE1

遂に完結か
乙!


512: ななしさん 2015/08/22(土)22:25:01 ID:eYz

サンキューイッチ


514: ななしさん 2015/08/22(土)22:25:12 ID:I71

おつかれ


515: ななしさん 2015/08/22(土)22:25:15 ID:NMx

感動的やった


513: ななしさん 2015/08/22(土)22:25:07 ID:heO

ほな、また…


518: ななしさん 2015/08/22(土)22:26:14 ID:stK

サンキューイッチフォーエバーイッチ
サンキュークビツェクフォーエバークビツェク
ハイル・・・


519: ななしさん 2015/08/22(土)22:26:18 ID:MdB

当たり前だがヒトラーも人間なんやな
お疲れ様やで


524: ななしさん 2015/08/22(土)22:28:19 ID:q0i

サンキューイッチフォーエバークビツェク
最後まで敬語で話さないといけなかったのがかなC


527: ななしさん 2015/08/22(土)22:30:40 ID:CE1

第一次世界大戦がなければ、とかいろいろ考えてしまうな


530: ななしさん 2015/08/22(土)22:35:53 ID:xll

ヒトラーはクビツェフと別れたあとずっと孤独やったんやな
その孤独は今も続いとる気がする


533: ななしさん 2015/08/22(土)22:45:16 ID:jZQ

このスレのおかげで歴史文学に目覚めそうやで


535: ななしさん 2015/08/22(土)22:55:04 ID:llU

おつやでほんま面白かった


537: ななしさん 2015/08/22(土)23:25:29 ID:CGQ

サンキューイッチ
もっと歴史知りたくなったわ


540: ななしさん 2015/08/22(土)23:41:34 ID:i1z

ありがとう。楽しかったよ。


565: ななしさん 2015/08/23(日)20:27:56 ID:Jve

ありがとう、ありがとうイッチ


605: ななしさん 2016/12/08(木)00:20:30 ID:f9a

画像



681: ななしさん 2017/01/16(月)05:14:54 ID:HBG

歴史って人間ドラマの集合体なんやな


608: ななしさん 2016/12/08(木)00:23:07 ID:SxI

サンキューイッチ
イッチのおかげでヒトラーも人間なんやと思い出せたやで


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