snapcrab_noname_2015-6-12_19-28-54_no-00

114: ななしさん 2015/08/09(日)22:06:33 ID:tuu

彡(゜)(゜)「お前はそれについて全く理解しておらん!」

彡(゜)(゜)「それについてお前に話すことはできん!」

彡(゜)(゜)「政治に関してはクビツェク、お前はマヌケやな!」

彡(゜)(゜)「全く、マッマといいお前といい皆政治に無関心過ぎるで!」

(´・ω・`)(僕達の友情にとって政治はいつも難点だった)

(´・ω・`)(僕は政治のことで自分の意見を全ど持たなかった)

(´・ω・`)(そんな僕を、彼は「ヒトラー教」に改宗させたがっていた)

(´・ω・`)(つまり、この若き民族主義者と同じ意見をもって欲しかったんだ 芸術についての考えと同じように)


115: ななしさん 2015/08/09(日)22:10:59 ID:kAo

お!続き来てるゥー!


116: ななしさん 2015/08/09(日)22:11:18 ID:2ra

待ってたでイッチ



友情


117: ななしさん 2015/08/09(日)22:14:50 ID:tuu

彡()()「全く、政治に興味がないなんてしんじられんなぁ。情熱が足らんのか?」

彡(゜)(゜)「だったらワイが政治というものを教えたるで! よし、今日は国会議事堂に行くで!」

(´・ω・`)「ええ~。僕帰ってピアノの練習したいんだけど…」

彡(゜)(゜)「このままお前を野放しにしてたら将来どうなるかわからん! ええからついてこいや!」


(´・ω・`)「おばさん、アドルフはなんで政治に興味を?」

(*^◯^*)「亡くなったお父さんも政治談義が好きだったんだ!」

(*^◯^*)「いつも居酒屋でゲルマン人についてやらオーストリアの多民族性についてやら話して煙たがられてたそうなんだ!」

(*^◯^*)「でもそれをアドルフに直接言ってる所は見たことがないんだ! きっと似た者同士だったなんだ!」


118: ななしさん 2015/08/09(日)22:29:57 ID:tuu

(*^◯^*)「ま、最近の若者はみんな自分をドイツ人だと思いたいみたいなんだ! アドルフもそんなニュアンスのことを言ってたんだ」

(*^◯^*)「クビツェク君みたい歳でノンポリはむしろ少数派なんだ!だからアドルフもほっとけばじきになおると思うん!」

(´・ω・`)「うーん、そうでしょうか」


(´・ω・`)「でさ、最近ヴィオラの先生に言われたんだけど、音楽の時代はイタリアに移り変わってるらしいよ」

彡(゜)(゜)「イタリアぁ~? イタリアはないで」

(´・ω・`)「ホントドイツ以外の外国に興味がないんだねアドルフは」

彡(゜)(゜)「ワイは死ぬまでドイツ帝国人やからな! 芸術的才能もドイツの為に使うで」

(´・ω・`)「へー、僕は楽器が弾ければどこだっていいや ピアノの先生にこう言ったらユダヤ人みたいだなって言われちゃったよ」


119: ななしさん 2015/08/09(日)22:40:51 ID:tuu

(´・ω・`)「ユダヤ人って言われても僕はあんまりピンと明るいこないんだけど、アドルフはどう思う?」

彡(゜)(゜)「ワイは別になんとも思ってへんで」

(´・ω・`)「あ、そうなんだ」

彡(゜)(゜)「そういえば学校の教師がユダヤ人についてあれこれ言っとったなぁ ワイは寝てたんやけど」

彡(゜)(゜)「ま、不満があるとすればベツレヘム通りのシナゴーグやな あれはリンツにいらん」

この頃、アドルフはそれほど反ユダヤ主義者ではなかった

彡(゜)(゜)「おっ、国会やんけ! チェコ人は消えろや!」

(´・ω・`)「ちょ…」


結局、彼は民族主義者だった
彼は愛した民族のために無条件で献身的に打ち込んだ

彼はただこの民族の中にだけ生きており、他の事は何も知ろうとしなかった


121: ななしさん 2015/08/09(日)23:02:03 ID:tuu

彡(゜)(゜)「あれ、今日やっとらんやんけ!」

(´・ω・`)「ホッ…じゃ帰ろうか」

彡(゜)(゜)「チッ…しゃあないな…ん!?」

(´・ω・`)「今度はなんだよもう…」

彡(゜)(゜)「おっ、宝くじやんけ! 買ったろ!」

彡(゜)(゜)「あら…金がないやんけ…クビツェク!お前半分出せや!」

(´・ω・`)「ええ~! 只でさえ小遣い少ないのに…」

彡(^)(^)「当たった金でワイらが民族記念館の改修するで! クゥ~! 夢が広がってきたで!」

(´・ω・`)「国営宝くじなんて初めて買ったよ」

彡(゜)(゜)「邸宅も作るで! 二階にワイのアトリエを作って地下にはクビツェクの音楽室や!」

(´^ω^`)「あっ…いいねぇそれ」


120: ななしさん 2015/08/09(日)22:48:45 ID:5JH

意外やな
若くして民族主義者って言うならユダヤも閣下時代レベルで嫌ってるかと思った


122: ななしさん 2015/08/09(日)23:02:37 ID:ZN5

ここから何故ユダヤ嫌いになったのか不思議なくらいやな


136: ななしさん 2015/08/10(月)12:29:48 ID:u3T

>>122
金貸しやからな。
調子が悪くなったら貸し渋りする挙句、英仏米にすりより始めたんだろ


123: ななしさん 2015/08/09(日)23:12:01 ID:tuu

(´・ω・`)(当選発表までの期間は、僕達の友情にとっては最も美しい一時だった)

(´・ω・`)(愛、熱狂、偉大な考え、大胆なアイデア、僕達には何でもあった)

(´・ω・`)(ただこれまでは、お金がなかった それが手に入るなら、もう他に何を望むというのだろう)

彡(゜)(゜)「うーんこの邸宅の案はええが費用がかかり過ぎるで」

(´・ω・`)「確かに、これでお金を使いきったらいつものみすぼらしい服で豪邸に住むことになるね」

彡(゜)(゜)「せや! 借家のワンフロアを貸しきって改造するのはどうや!?」

(´・ω・`)「あっ、それ名案だね!」

彡(^)(^)「よっしゃ、場所決めに行くで!」

(´^ω^`)「行こう行こう!」


124: ななしさん 2015/08/09(日)23:20:29 ID:tuu

ーーーーー

(´・ω・`)「うーんこの辺りは周りが家ばかりだね」

彡(゜)(゜)「次や次!」

ーーーーー

(´・ω・`)「ここいいんじゃない? 程よく町を見渡せるよ!」

彡(゜)(゜)「……」

(´・ω・`)「あっ……(察し)」

(´・ω・`)(近所に学校があった…)

(´・ω・`)「ここは学校の通学路があるから芸術活動に支障が生じるね」

彡(゜)(゜)「せやな」


125: ななしさん 2015/08/09(日)23:31:16 ID:tuu

(´・ω・`)「結局…たどり着いたのは…」

彡(゜)(゜)「ここか」


ウアファール地区キルヒェン通り4番にあった33号室


(´・ω・`)「いい場所だね ドナウ川の近郊にこんな家があったなんて」

彡(゜)(゜)「反対側はミュールフィアケル地域の緑の丘陵…ペストリンクベルの眺め…」

彡(^)(^)「最高や!ここに決定やな!」

彡(゜)(゜)「早速忍び込むで!」

(´゜ω゜`)「忍び込むなら最も静かにね…」


彡(゜)(゜)「はえ~!予想以上の眺めや」

(´・ω・`)「うわぁー壁も厚いからピアノ位大丈夫そうだ」

彡(゜)(゜)「早速平面図づくりや!」


126: ななしさん 2015/08/09(日)23:41:55 ID:tuu

彡(゜)(゜)「おっ!ここのフロアにワイの作図机置くで!」

(´・ω・`)「じゃあ僕はこっちの狭い方で こっちの方が音響よさそう」

彡(゜)(゜)「カーテンとその飾りは任せるで! ワイは設置する家具や!」

(´・ω・`)「伊達に家具職人見習いやってないからね、張り切らせて貰うよ!」

(´・ω・`)(僕達は夢中になって作業した)

(´・ω・`)(一等賞の宝くじに当選することを僕達は疑わなかった)

(´・ω・`)(アドルフのおかげで、僕も当選への無条件の確信に目が眩んでもうすぐキルヒェン通りに引っ越す予定でいた)


(´・ω・`)「できた どうだいアドルフ」

彡(゜)(゜)「おお、ええな! 堅実で妥当や! よっ、大将!」


129: ななしさん 2015/08/10(月)00:04:04 ID:QhM

めっちゃ青春してるやん。
ええやつやな二人とも
こんな青春送ってたら、きっと将来は立派な聖人になるんやろうなぁ


127: ななしさん 2015/08/09(日)23:53:54 ID:tuu

(´・ω・`)「僕は宝くじが当たったら家の手伝いをやめるよ! 音楽の仕事に全力を注ぐんだ」

彡(゜)(゜)「せやな!やめて止めてまえ止めてまえ」

彡(゜)(゜)「たまにウィーンへ行くで! んで劇場に行ったり講義を聴いたりするで!」

彡(゜)(゜)「でも生活スタイルは今と同じや! 上品かつ堅実にいくで! 家政はどっかのバッバでも雇うで」


しかし、そう上手くはいかないものだ



当選日

父「クビツェク、椅子の脚をとっておくれ」

(´・ω・`)「はい父さん」

ガラガラ

父さん「ん、だれだ? 納品日は明後日の筈だが…」

彡(。)(●)「クゥー! ク、ク、クビツェクーーー!!!」

(´゜ω゜`)「ア、アドルフ!!?」


128: ななしさん 2015/08/10(月)00:04:02 ID:200

アドルフの手には紙切れとなったくじが握られていた


彡(●)(●)「ンゴォォォォォォォォ!!!!」

彡(。)(●)「人間の騙されやすさにつけ込む国家主導の投機!」

(´;ω;`)(ああ…そうか駄目だったんだね…)

彡()()「善良な市民を食い物にする公然の詐欺!!!」

彡(●)(●)「10!?いや20!?民族の寄せ集めの糞国家が~~!!~~!!」


実際には、二人の哀れな若者がなけなしの金を騙しとられた、というだけの話だった


彡(●)(●)「ハプスブルク家の婚姻政策から生まれた怪物!!」


アドルフは、自分に非がある、などとは思いもしなかった。
一等を得るのは当然の欲求である、と思っていた


131: ななしさん 2015/08/10(月)00:13:19 ID:200

(´・ω・`)(アドルフは、国営宝くじなどの国家組織を騙されやすさ当てにするよりも自分自身とその将来を信頼するほうが賢明だと思うようになった)

彡()()「くそ…オーストリアなんて信じたワイが馬鹿だったんや…」

彡()()「はえ~つっかえ~ くそ、気分直しに橋のスケッチにでもいくでクビツェク!」

(´・ω・`)「うん、付き合うよ」

父「なんだこいつ…」

(´・ω・`)(それから、彼は橋を好むようになった)

(´・ω・`)(ドナウ川を流れる水の上には、何か自由で前に進みたくなる雰囲気があった)


まるで自分がそうでありたいと思うように、自らの国を嫌うこの若き民族主義者は熱心に橋をスケッチしていた


132: ななしさん 2015/08/10(月)00:13:51 ID:200

続く


134: ななしさん 2015/08/10(月)12:21:54 ID:Bpa

だからヒトラーはハプスブルク嫌いだったんか


133: ななしさん 2015/08/10(月)00:27:21 ID:3Rq

パッパドン引きで草


135: ななしさん 2015/08/10(月)12:23:50 ID:nZs

これって何歳くらいの出来事なんだろうか


148: ななしさん 2015/08/10(月)17:14:18 ID:uUg

アドルフに告ぐを途中で積んどんの読まないかんな


ウィーンへ


155: ななしさん 2015/08/10(月)20:00:51 ID:200

(´・ω・`)(1906年の5月から6月にかけて、アドルフはウィーンに滞在していた)

(´・ω・`)(もう言うまでもないけど、アドルフは慣れ親しんではいるけど小市民的なリンツに限界を感じていた)

父「おーいクビツェク、ヒトラー君から絵葉書が届いているぞ」

(´・ω・`)「え、ほんと!?」

『この絵葉書を送るが、ずっと便りを出さなかったことをすまないと思っている。僕はとても元気で、今はあちこちを見て回っている。明日はトリスタンを見に行き、明後日はさまよえるオランダ人という具合だ』

(´・ω・`)「ふむふむ 楽しそうだなぁ」

『全てがとても素晴らしいのだが、僕はもうリンツが恋しい。今日は市立劇場に行く 尊敬するご両親によろしく』

『アドルフ・ヒトラー』

彡(゜)(<)


156: ななしさん 2015/08/10(月)20:03:11 ID:QhM

ヒトラーくんええやつやな


157: ななしさん 2015/08/10(月)20:10:23 ID:200

(・`ω・‘)「んん… きっとこの『リンツ』っていうのはそのままの意味じゃなくて…」

(´-ω-`)「きっと『ステファニー』のことなんだろうなぁ…全くもう」


同じ日の1906年5月に、アドルフは二枚目の絵葉書を出していた


『建物の内部に感動はしない。建物の外面の力強い威厳が芸術の記念碑的厳粛さを建物に及ぼすのであり、内部ではその威厳よりも感嘆を覚える』

彡(`)(´)キリッ

『力強い音の波が室内をうねり、風のざわめきが波打つ音のすごい洪水に消え失せるときにこそ、崇高さを感じ、内装を飾る金やビロードのことはわすれてしまう』

彡(-)(-)

『尊敬するご両親に宜しく』

『アドルフ・ヒトラー』


159: ななしさん 2015/08/10(月)20:18:04 ID:200

リンツ駅

(´・ω・`)「おかえり、アドルフ」

彡(^)(^)「おおクビツェク! なんか久しぶりに感じるで!」

彡(;)(;)「ホンマによかったでぇーウィーンは! 流石ステファニーを生んだ町や! あそこの建築を見て音楽を聞けばワイも都会人や!」

(´・ω・`)「絵葉書からも十分にその素晴らしさが伝わったよ」

彡(゜)(゜)「クビツェク…ワイは決心したで…」

(´・ω・`)「ああ…やっぱり…」

彡(゜)(゜)「ワイは…ウィーンへ行くで」


160: ななしさん 2015/08/10(月)20:26:05 ID:200

ヒトラー家

彡(゜)(゜)「マッマ! ワイはウィーンへ行くで!」

(*^◯^*)「駄目なんだ!」

彡(゜)(゜)「なんでや! 費用はワイが親父から相続した分を使うんやからええやろ!」

(*^◯^*)「そういう頑固なところがお父さんそっくりなんだ!」

(*^◯^*)「それに、知り合いの農夫さんに職の斡旋をたのんでいるんだ!」

彡(゜)(゜)「ファ!?聞いてへんでそんなこと!」

(*^◯^*)「言ったら反対するから黙っていたんだ!」

(*^◯^*)「アドルフ、二年前に実科学校を止めて以来お前はずっとブラブラしていたんだ!」

彡(。)(゜)「ぶっ、ブラブラぁ!? それは聞き捨てならんで! ワイはいつも芸術家になるため努力しとったんや!」


161: ななしさん 2015/08/10(月)20:37:07 ID:200

(*^◯^*)「はっきり言うんだ! 芸術家なんて不安定で軽率なものなんだ!」



(´゜ω゜`)「す、すごい剣幕で言い争ってる クララおばさんのこんな声聞いたことないよ…」


彡(゜)(゜)「何を言っとんじゃ! ワイはちゃんと大学にいって勉強するんや! 学校やぞ学校!! どや!? 学生なら世間体も悪くないやろ!?」

(*^◯^*)「ぐぐ…でもクビツェク君みたいに音楽ならともかく絵なんて…」

(*^◯^*)「それに、ラウバルだって反対だって言ってたんだ! 気違いの沙汰だって言ってたんだ!」

彡(●)(●)「あんな小役人風情に芸術の何がわかるんや!! そうか、あいつがマッマに何か吹き込んだんやな!?」


(´゜ω゜`)「僕の出る幕は無さそうだ…今日のところは帰ろう…」


162: ななしさん 2015/08/10(月)20:45:56 ID:200

あくる日 クビツェク家

(´・ω・`)「このマットレス、ずいぶん注文が込んでるね…! ぐぐ…」

父「ああ…今日いっぱいはかかるな…」

彡(゜)(゜)「クビツェク」

(´・ω・`)「あ、アドルフ…ごめん、今は少し忙しくて…」

彡(゜)(゜)「明日、出発するで 出来れば一緒に駅まで来てくれや」

(´゜ω゜`)「明日!?随分急だね」

彡(゜)(゜)「そんじゃ、仕事頑張ってな…」

彡(゜)(゜)「叔父さんも、無理をなさらずに頑張って下さい」

父「ありがとう、アドルフ君はいつも礼儀正しいねぇ」

彡(゜)(゜)「ほな…また…」


163: ななしさん 2015/08/10(月)20:49:16 ID:200



(´・ω・`)「やっと終わった…!アドルフの家に行ってみよう…」

(´・ω・`)「ごめんください」

(*^◯^*)「クビツェク君なんだ!アドルフはいないんだ!」

(´・ω・`)「はぁ、そうですか…あの…」

(*^◯^*)「ウィーンへの引っ越しのことなんだ?」

(´・ω・`)「えっ、あ、はい…」


164: ななしさん 2015/08/10(月)20:58:57 ID:200

(*^◯^*)「アドルフは実科学校できちんと勉強していたら、今頃高卒資格を得ていた筈なんだ!」

(*^◯^*)「大急ぎでウィーンへ行って何になるんだ! 画家になっても、得るものはないし、歴史物語を書いても、1クローネにもならないんだ!」

(*^◯^*)「もうアドルフを助けてやることはできないんだ!アドルフだけじゃなく、パウラもいるんだ!」

(´・ω・`)「妹さん、体が弱いんでしたね」

(*^◯^*)「アドルフはそんなことお構い無しなんだ! まるで世界に自分一人しかいないかのように、自分の道を進むんだ!」

(*^◯^*)「うぐ…」

(´・ω・`)「お、おばさん!?」

(*^◯^*)「最近はもう…駄目なんだ…! ああ…あのお星さまに顔が見えるんだ…!」

(´・ω・`)「し、しっかり…!」


165: ななしさん 2015/08/10(月)21:08:54 ID:200

(*^◯^*)「クビツェク君…アドルフが自立するのを見る前に、この体は駄目になるんだ…!」

(*^◯^*)「アドルフは孤独なんだ…! だから一緒にいてやってほしいんだ…!」

(´・ω・`)「おばさん…」

翌日 駅

彡(゜)(゜)「もうマッマは一切反対せん ワイは行くで」

(´・ω・`)「あれ、クララおばさんは?」

彡(゜)(゜)「親が子を見送るなんて恥ずいやろ!」

(´・ω・`)「そっか…」

彡(゜)(゜)「あいつだって…あの糞親父だってウィーンへ行かなかったら一生靴職人でマッマとも結婚できなかったんや ワイだってできるで…!」

彡(゜)(゜)「だからクビツェク! お前もこいや!」

(´・ω・`)「ははっ、またまた…」

彡(゜)(゜)「クビツェク! これはいつもの冗談やない! 本気や!お前が望まんと一生そのままやぞ!」


166: ななしさん 2015/08/10(月)21:14:41 ID:200

(´・ω・`)「うっ……!」

彡(-)(-)「ワイは知っとるんやで、お前がワイに及ばずとも努力していることを… オペラに行く回数を減らして家庭教師を呼び、詩を読んだり…」

彡(゜)(゜)「後はお前が勇気をだすだけや!そしたらワイも全力でやれることをやらせてもらうで!」

(´・ω・`)「アドルフ…」

彡(゜)(゜)「せやから、来い!クビツェク!」

ポーッポーシュッポー

彡(-)(-)「ほな…またな…待ってるで…」


(´-ω-`)「……」

(´・ω・`)「……!」


167: ななしさん 2015/08/10(月)21:21:59 ID:200

クビツェク家

父「クビツェク… そうか、ヒトラー君は行ったか」

(´・ω・`)「父さん…僕…」

父「皆まで言うな お前の頑張りはヒトラー君から聞いてる お前のやりたいこともな」

(´;ω<`)(アドルフ…あんなこと言って、もうやることやってるんじゃないか…!)

父「仕事がないときはなるべく家を避けていたお前が親友を見送った後すぐここに来た…! それだけでもう私は理解した」

(´;ω;`)「父さん…! じゃあ…!」

父「ああ…ただし後一年の修行を終えてだ 勿論音大の受験勉強と平行でな」

(´;ω;`)「うん…うん…やるよ…勿論やるよ…!」


168: ななしさん 2015/08/10(月)21:32:26 ID:200

ウィーン

『アドルフへ 君のおかげで、父さんの許可が貰えたよ 宝くじの夢は叶わなかったけど、同居して二人、ウィーンで学生生活を送る夢は果たせそうだね』

(´・ω・`)

『あと一年で、君に追い付くよ それまで、抜け駆けして有名になったりしてちゃ駄目だからね』

(´・ω<`)

『アウグスト・クビツェク』


彡(゜)(゜)「ふふふ、やりおった、やりおったであいつ! 全てはワイの計画通りや!」

彡(゜)(゜)「だが悪いな、クビツェク! ワイはお前を待つつもりはないで! 必死にワイの芸術家人生に喰らいついてくるで!」

「大松造形美術大学」

彡(゜)(゜)「この美大からワイのそれは始まるんや!」

彡(^)(^)「ほな、行くで!」


169: ななしさん 2015/08/10(月)21:32:37 ID:200

続く


170: ななしさん 2015/08/10(月)21:35:34 ID:vll

こういう友情マジで好き


173: ななしさん 2015/08/10(月)22:26:24 ID:uUg

こう見るとヒトラーも人間なんやと思って不思議な感じがする


174: ななしさん 2015/08/10(月)23:15:22 ID:Ijt

ヒトラーに詳しくなりそう


175: ななしさん 2015/08/11(火)06:16:52 ID:2Gq

>>174
そのために見てるんやろ


196: ななしさん 2015/08/13(木)09:22:50 ID:y8X

確かヒトラーの絵は人物が一人もいないんやっけ
風景画ばっかり


171: ななしさん 2015/08/10(月)21:36:52 ID:Yg4

しかしこのあとヒトラーは…


別れ


190: ななしさん 2015/08/13(木)08:58:08 ID:bHU

1907年10月

とある市場

(´・ω・`)(アドルフがウィーンへ行って数ヶ月たった)

(´・ω・`)(僕はヴィオラの交響楽団、弦楽合奏団に入り特訓の日々を重ねている)

(*^◯^*)「あ、クビツェク君なんだ!」

(´・ω・`)「あ、おばさん 元気そうでなによりです」

(*^◯^*)「ありがとうなんだ!」

(*^◯^*)「アドルフは上手くやっているそうなんだ! ただ、何について勉強しているのかわからないんだ! きっと忙しいんだ!」

(´・ω・`)「ええ、そうらしいですね」

(´・ω・`)(実は僕との文通でも政治やステファニーのことばっかりで不思議と勉強のことは書かれてないんだよね)


192: ななしさん 2015/08/13(木)09:03:34 ID:qqG

クビツェクくんヴィオラ弾きだったのか
何故かピアノイメージだったわ


194: ななしさん 2015/08/13(木)09:08:08 ID:bHU

翌日

父「こ、これは…」

(´゜ω゜`)「はえ~」


注文書にはベットが50床とあった
新築された婦人科病棟のためだ

空いてる時間は全て音楽の勉強に費やした
こうして数週間の間、楽団と家だけを往復する日々が続いた


11月後半 ヒトラー家

(´・ω・`)「おばさん、暫く顔見せられなくてすいません」

(* ◯ *)「だ、誰…なんだ……」

(´゜ω゜`)「お、おばさん!?」


数週間ぶりに見た彼女の顔は枯れ果て、弱りきっていた


195: ななしさん 2015/08/13(木)09:21:41 ID:bHU

(* ◯ *)「アドルフは、ウィーンの生活、生活はとてもじじじじゅうじつしてるらしいんだ…」

(´・ω・`)「へ、返事を書くのが大変なら僕が代わりに書きますよ!」

(* ◯ *)「それは駄目なんだ…」

(* ◯ *)「アドルフは母親の体調を知ったらきっとここに戻ってくるんだ…」

(* ◯ *)「猛勉強しているアドルフに途中で中断を強いることはできないんだ…」

(´・ω・`)(一体どうすれば…)

(´・ω・`)(小さな妹さんは毎日学校、確かアドルフの義理の姉さんは妊娠中 その夫のラウバルもアドルフのウィーン行きの件で不機嫌らしいし…)

(´・ω・`)「入院…」

(* ◯ *)「お医者さんにもそう薦められたんだ…」


結局、様々な理由が重なりアドルフへ手紙が送られることとなった


198: ななしさん 2015/08/13(木)09:32:21 ID:bHU


(´・ω・`)「ってことなんだよ…どうにかならないかな?」


母はクララおばさんとは面識がなかったが時々おばさんの様子を見に行くことを進んで引き受けてくれた
しかし、父が反対した



父「頼まれてもないのに援助をするのは無作法にあたる」

(´・ω・`)「…」


翌日

(´・ω・`)(よし、次はマットレスに詰め物をして…)

彡(゜)(゜)ガチャ

(´・ω・`)「アドルフ、帰っ」

彡(゜)(゜)「医者は不治の病や言うとった」


アドルフの口から出たのはこれだけだった

彼の顔は透き通りそうなほど青白く、目はくもり、声はしわがれていた


199: ななしさん 2015/08/13(木)09:41:19 ID:bHU


彡(゜)(゜)「不治の病てなんや? 不治やない、医者に治す能力がないだけや マッマはまだ47やぞ」

彡()()「医者はどうしていいかわからないから不治の病なんて言い出すんや」

(´・ω・`)(身近に起こったことを何でも問題視するのは、彼のいつもの癖だ)

(´-ω-`)(でも、こんな風に話したのは初めてだな…)

(´・ω・`)「僕に何かできることはある?」

彡(-)(-)「……」

彡(゜)(゜)「マッマの面倒を見るために、ワイは暫くリンツにいる」

(´・ω・`)「大学はいいの?」

彡()()「……」

彡(゜)(゜)「だ、大学は毎日行かなくてもええんやで それに、今はマッマの方を優先せな」

(´-ω-`)「そうだよね…無粋なこと聞いてごめん」


201: ななしさん 2015/08/13(木)09:51:37 ID:bHU


(´・ω・`)「そういえば、君に家事なんてできるの?」

彡(゜)(゜)「必要になれば、何でもできるもんや」


翌週

(´・ω・`)(アドルフはああ言ってたけど、家事を単調で退屈な作業だって見下していたアドルフにできるのかな…?)

(´-ω-`)「無理だろうなぁ きっと三日坊主…」

ヒトラー家

(´・ω・`)「お邪魔します」

(´・ω・`)「あれ、誰もいない」キョロキョロ

「クビツェク、下や」

(´゜ω゜`)「ア、アドルフ…床にひざ立ててなにしてるの…?」

彡(゜)(゜)「ファ? 掃除に決まっとるやろ 見てわからんか」

(´゜ω゜`)(嘘…あの、あのアドルフがエプロン着けて床を磨いてる)


202: ななしさん 2015/08/13(木)10:01:07 ID:bHU


(* ◯^*)「あはは、クビツェク君驚いてるんだ! 無理はないんだ!」

(* ◯^*)「でもご覧の通り、アドルフは何でもできるんだ!」

彡(゜)(゜)「全く、人をなんだと思っとるんや…」


(´・ω・`)(アドルフは別人のようになっていた)

彡(゜)(゜)「今日は野菜でなんか作るで」

(´・ω・`)(いつも彼が夢中になっている問題やアイデアは、もう出てこなかった)

(´・ω・`)(政治のことは勿論、芸術への興味すら、ほとんど失せているようだった)

(´・ω・`)(僕達は三年以上も密接で二人だけの友情を保っていて、隠し事は一切なかった)

(´・ω・`)(アドルフは、本当に別人みたいになっていた)


204: ななしさん 2015/08/13(木)10:11:51 ID:wDF

わくわく


203: ななしさん 2015/08/13(木)10:10:21 ID:bHU


(´・ω・`)(クララおばさんの状態は良くなっていった)

(´・ω・`)(やっぱり、息子がそばにいることが病状にいい影響をもたらしたのかも)

(* ◯^*)「…」

彡(゜)(゜)「ほい」

(´・ω・`)(アドルフはおばさんの目からやりたいことを読み取り、心から愛情を込めて世話していた)

(´・ω・`)(僕は自分の目と耳を疑いたくなったほどだ)

(´・ω・`)(この日々の間の彼は完全に自分のことを忘れて、母への献身的な世話だけに生きていた)

(´・ω・`)(あ、雪だ…)

(´-ω-`)(アドルフにとって、今年のクリスマスはいいものになりそうにないな…)


205: ななしさん 2015/08/13(木)10:18:55 ID:bHU


(´・ω・`)「それでは、僕はこの辺で…」

(* ◯^*)「……」

(´・ω・`)「アドルフー!? 聞こえてるかーい!?」

彡(゜)(゜)「屋根裏からでも聞こえるでー! ほななー」

(´・ω・`)「それでは、お大事に…」

(* ◯^*)「クビツェク君」

(´・ω・`)「はい」

(*^◯^*)「アドルフにとって良い友達のままでいてほしいんだ!あの子はひとりぼっちになっていまうからなんだ!」

(´;ω;`)「はい……」


僕は目に涙をためながら約束して、帰った
12月20日の夕方のことだ


206: ななしさん 2015/08/13(木)10:21:15 ID:qqG

切ないなぁ……この後を考えると本当に切ない


207: ななしさん 2015/08/13(木)10:23:28 ID:CMB

みんな頼むから先のこと言うのやめてクレメンス......


208: ななしさん 2015/08/13(木)10:25:47 ID:Lr0

友情やなあ…


210: ななしさん 2015/08/13(木)10:29:25 ID:bHU


翌日 午後 クビツェク家

彡()()「」ガチャ

彡()()「………」

(´・ω・`)「アドルフ……」

彡()()「夜中にマッマが死んだ」

(´ ω `)



埋葬は12月23日に行われた

小さなパウラはすすり泣き、アドルフは落ち着いていた
しかし、彼の大きな目はその悲しみを隠しきるのには些か向いてなかった

明日がクリスマスのためか、葬列は隣人や知り合いのみでみすぼらしさが感じられた

クララ・ヒトラーは夫アロイス・ヒトラーの墓の隣りに埋葬された


211: ななしさん 2015/08/13(木)10:36:43 ID:mpN

おお、もう…


212: ななしさん 2015/08/13(木)10:39:29 ID:bHU

翌日 クビツェク家

母「こういう時こそ、家族と皆でクリスマスを平穏に過ごすのがよいでしょう」

彡()()「そうですね」


彼はそう言ったが別れ際に、彼は無愛想に言った



彡()()「ラウバルの所へは行かへん」

(´・ω・`)「それなら一体どこに行くつもりだい? 今日はクリスマスイブなんだよ」

(´・ω・`)「僕の家で一緒にどうだい」

彡()()「ありがたいが、遠慮しとくで」

彡()()「ワイは…」


彡(゜)(<)「たぶん、ステファニーのところへ行くで!」


(´・ω・`)(彼はステファニーのところ、つまり夢の中へ向かった)


後に彼はクリスマスイブについて、何時間も外にいた、とだけ話してくれた
朝方になってようやく家に戻り、眠ったそうだ

何を考え、感じ、悩んでいたかは、話してくれなかった


213: ななしさん 2015/08/13(木)10:39:56 ID:bHU

続く


216: ななしさん 2015/08/13(木)12:10:20 ID:DB0

おもしろい


217: ななしさん 2015/08/13(木)12:35:42 ID:1Pm

ヒトラーってワイにそっくりやな・・・
ワイはヒトラーの生まれ変わりやったんやな(危険思想


221: ななしさん 2015/08/14(金)13:53:55 ID:8yC

続きは?


220: ななしさん 2015/08/13(木)15:03:30 ID:xQR

続きを( ´・ω・`)


222: ななしさん 2015/08/14(金)13:54:30 ID:sei

続き気になるけど、無理せずゆっくり書いてほしいで


215: ななしさん 2015/08/13(木)11:46:37 ID:qqG

よりによって12/23か…


アドルフに告ぐ 1
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手塚プロダクション (2014-04-25)

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