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1: 名無しさん 2017/12/17(日)17:54:28 ID:9j1

彡(゚)(゚)「このスレは日本の精神科医療の歴史を学ぶスレや」
彡(^)(^)「病気の詳しい話は基本的にせんで」

彡(^)(^)「その代わりに、『なんで今の制度になったのか?』を解説したる」
彡(-)(-)「精神科医療ってTVで特集される華々しさも少ないし、病院に行ったことがある人も少ない」
彡(-)(-)「日陰の医療なんやな」
彡(^)(^)「でもそんな精神科がないと日本は成立せんのやで」

※注意
彡(゚)(゚)「このスレでは不適切な表現をすることがあるかもしれん」
彡(゚)(゚)「特に昔の文献を引用する場合や」
彡(゚)(゚)「今ですら偏見が残っとる。いわんや昔をや」
彡(-)(-)「許してクレメンス」



2: 名無しさん 2017/12/17(日)17:55:14 ID:vGa

期待


3: 名無しさん 2017/12/17(日)17:55:45 ID:y3h

学ぶスレ久々やから楽しみ


5: 名無しさん 2017/12/17(日)17:58:03 ID:9j1

プロローグ…へっぽこ医学生の勉強

彡(^)(^)「ワイは27歳の医学生、今年は国家試験や」
彡(^)(^)「ところで今日のやきうも終わりやで。晩酌ついでにニュースや!」
警察では責任能力について慎重に調べています。
裁判で弁護士は精神鑑定を要求しています。

彡(゚)(゚)「…」
彡(゚)(゚)「心神喪失やと無罪になるのはなんとなくわかるんやけど。」
彡(゚)(゚)「それで被害者は浮かばれるんやろうか?」
彡(゚)(゚)「いっそのこと精神病の患者は全員精神病院にぶち込めばええんちゃうやろか?」
彡(^)(^)「そうすりゃ遺族の納得がいかない判決も減るで。我ながら名案や!」
(´・ω・`)「3留のやきうさん!勉強もしないでまた酔っぱらって野球観戦ですか!?」
彡(゚)(゚)「失敬な!社会勉強中や!」
彡(^)(^)「ニキも名案と思うやろ!どや!?」
(´・ω・`)「ちょっとは精神科のことを考えてよ」
彡(^)(^)「精神科なんて適当に薬をポイーやろ。」
(#´・ω・)「!?」


 AA


6: 名無しさん 2017/12/17(日)17:58:59 ID:9j1

彡()()「ワイが悪かったで…許してクレメンス」
(#´・ω・)「それじゃ、色々勉強しようね」


21: 名無しさん 2017/12/17(日)18:03:45 ID:9j1

エピソード1 お薬できたね(ニッコリ

ここでは薬の歴史をたどるやで。精神科の薬が出来たのはWW2以降と以外と歴史が浅いんや。
とはいえ薬全部を説明しとったら時間がかかるから、重要な薬だけや。

1.炭酸リチウム
躁うつ病に使われる気分を安定させる薬や。その歴史はいい加減と偶然の連続なんやで。
ダウンロード (9)

1946年
彡(^)(^)「ワイはジョン・ケイド。オーストラリアの精神科医や。昔は軍医しとって日本軍の捕虜になったこともあったで。今は軍医をやめて帰還兵のための病院勤めや。患者を診るついでに躁うつ病も研究しとるところやで」
彡(゚)(゚)「多分躁うつ病の原因になる物質があるんやないか?モルモットで実験やな」
彡(^)(^)「実験室はないから、厨房でええやろ」
彡(^)(^)「原因の物質をモルモットに注射しよ。何を注射するか考え…まずは簡単に取れる尿にしよう。尿をモルモットに注射や(なお厨房)」

…そんなある日
彡(●)(●)「アカン!モルモットがバッタバッタ死んでまう。どうなっとるんや…」
彡(゚)(゚)「ところで尿ってどんな物質が入っとるんや?何々…」
彡(^)(^)「取りあえずヤマ勘やな。このUAってやつが怪しいで。取りあえずやっとけ!」
※UA… Uric Acid:尿酸。普通の尿には100%入っている。


23: 名無しさん 2017/12/17(日)18:05:15 ID:9j1

彡(゚)(゚)「アカン!UAは水に溶けにくいやないか!これじゃ実験にならんで!!」
彡(●)(●)「水に溶かすんや!何としても尿酸を水に溶かすんや!!」
彡(^)(^)「リチウムと反応させて塩類にしたら溶けるらしいで。やったぜ」
彡(゚)(゚)「ファッ!ネズミが死なないし暴れんようになったやないか!大成功や!!」
彡(゚)(゚)「いやしかし待てよ。これって尿酸とリチウムの塩類の効果やな。これだけでは尿酸の効果とは言えへんで」
彡(^)(^)「試せばええやん。炭酸リチウムは水に溶けるんや。注射してしまえ」
彡(゚)(゚)「ファツ!落ち着いたやんけ!炭酸リチウムの効果やったんやな!」
彡(゚)(゚)「せやけど原理はどうなっとるんやろうか?」
彡(^)(^)「分からんけど治療に使ったろ」
彡(^)(^)「やっぱり効いたで思った通りや」
彡(゚)(゚)「せやけど原理はどうなっとるんやろうか?」
彡(^)(^)「分からんけど発表や。善は急げやで」
時に1949年、あるしがない雑誌に投稿された。炭酸リチウム初の報告である。
しかしその後の炭酸リチウムは効果があることは認められつつも、広く使われるまでには関門があった。危ないのである。


25: 名無しさん 2017/12/17(日)18:06:10 ID:9j1

彡(^)(^)「効果が分かったから、次は投与量を考えんといかんな」
彡(^)(^)「お薬には『何も起こらない濃度域』『効果が出る濃度域』と『副作用が出る濃度域』があるんや。多くても少なくてもダメなんやで」
(´。ω゚`) 「先生お願いします」
彡(^)(^)「取りあえずこんなもんで(チョビット」

AA
炭酸リチウムは「治療域」と「中毒域」が極めて近い薬剤である。しかも解毒薬がない。そのため、初期には入れ過ぎによる死亡事故が多発した。当然そんな危ない薬を国が認めるわけもなく…
アメリカ
彡(^)(^)「これが躁うつ病に効果がある薬やで。もちろんええんやろ?」
(*^○^*)「ダメダメ!危なすぎるんだ!!」
彡(゚)(゚)「何でや!患者を救えるんやで!!」
(*^○^*)「そんな危ない薬は毒薬なんだ!許可なんて出せないんだ!」
1970年
彡(゚)(゚)「要するに危ない濃度にしなけりゃええんやろ!投与法と投与量を研究して、定期的に血中の濃度を調べてきたで!」
(*^○^*)「それならいいんだ!」

他にも…
彡(^)(^)「よっしゃ。ちゃんと効いとるな。データも揃ったで」
彡(^)(^)「製薬メーカーだってノリノリやろ。なんせ治療薬はこれしかないんやからな。大儲けやで。というわけで作ってや!」
( ・`ω・´)「だが断る」
彡(゚)(゚)「何でや!大儲けやないか!」
( ・`ω・´)「製薬メーカーはどうやって儲けるか知っているかね?」
彡(゚)(゚)「もちろん薬の売値から原材料費を引いた分や。薬はこれしかないんやから大儲けや!」
( ・`ω・´)「売値はどうやって決めるのかね?」
彡(゚)(゚)「メーカーの言い値に決まっとるやないか!独占生産で大儲けや!」
( ・`ω・´)「ところで弊社が独占できるのかね?」
彡(゚)(゚)「特許を取ればええy…待てよ」
彡(〇)(〇)「せやった。炭酸リチウムなんてありふれた物質で特許なんて取れんやった…」
( ・`ω・´)「分かったら帰ってくれたまえ。パテントが取れない薬なんて売り物にならない。早晩他の企業も製薬に乗り出して赤字まっしぐらだ」
彡(〇)(〇)「うう…」

その後色々あったがアメリカでは1970年、日本では1979年に承認された(なお、東京に首都を置く島国では認可前から使っていたという情報もある)


27: 名無しさん 2017/12/17(日)18:07:37 ID:9j1

2.クロルブロマジン~最初は失敗作
統合失調症に使われる薬や。この薬が生まれるまで統合失調症の治療はロボトミーやったんや。
ちなみに今ではもっといい薬があるから使われることは少ないで。
そして、この薬もまた偶然から生まれたんやな。

1950年 フランス
彡(^)(^)「ワイはヤキウニキや。某製薬会社で働いとるで。」
彡(^)(^)「というわけで今回の発明は抗ヒスタミン薬や。アレルギーとかに効くで。さ、実験や!」
(*^○^*)「実験したけど効かないよ!しかも鎮静が効きすぎて意識レベルが下がっちゃう!売り物にはならないよ!」
彡()()「」
(*^○^*)「でも全身麻酔をかける前に使うと、いい感じに患者が寝てくれるね!そっちでは売れるかも!」
彡(^)(^)「ホッ」
そんなわけで手術のために使う薬であり、精神科の薬ではなかったのだが…

1951年 フランス
('ω`)「僕はアンリ・ラボリ。フランス海軍の軍医だよ。精神科?違うよ僕は外科医だ。メスを使うのが仕事さ」
(´;ω;`) 「お腹が痛いよー!助けてー!死んじゃうー!」
('ω`)「というわけで手術だね。この患者は激しいな。クロルブロマジンを入れるほうがいいな」
手術後
(´・ω・`)「アリガトウゴザイマス オカゲデタスカリマシタ」
('ω`)「おや?あれほど暴れていたのに…気のせいかな?」
J( 'ー`)し「うちの子がこんなに大人しいのは初めてです」
('ω`)「やっぱり気のせいじゃなかった。クロルブロマジンには精神を落ち着かせる効果があるようだ。」
('ω`)「これはもしかしたら、あの病気に使えるかもしれん。精神科に行ってみよう」


28: 名無しさん 2017/12/17(日)18:08:23 ID:aYk

クロルブロマジンが出来て精神科病院が日本で大量増殖したんよな


29: 名無しさん 2017/12/17(日)18:09:31 ID:9j1

精神科
彡(。)(;)「宇宙人が!電波が!」
('ω`)「彼は統合失調症。興奮すると手が付けられない。効果はあるだろうか?」
プシュ
彡(-)(-)「宇宙j…デンパ…」
彡(゚)(゚)「ゴハンニスルデ」
('ω`)「やっぱり!これは効くぞ!」

1951年、クロルブロマジンの効果はある外科医が偶然発見した。
彼はその時の衝撃を以下のように記載している。
『まさに薬物によるロボトミー、人間を根本から変えてしまう・・・患者は無気力、無関心、そして幼児的になった。』

「これまで「治療不能」とされていた統合失調症に新薬が出来た。」この噂は瞬く間に広がった。

フランス サンタンヌ精神病院
( ・`ω・´)「やあ!僕はしがない精神科医さ。でもこの病院はフランス1だよ!ところで最近『クロルブロマジンが統合失調症に効く』という発表があった。やってみよう」
( ・`ω・´)「本当に効いた…あれほど暴れていたのに…」
『たちまちヨーロッパ中の療養院がそれに倣った。どの現場でも病棟が静かになり患者を管理しやすくなった。』

( ・`ω・´)「外来で薬を出して、飲んでくれたら症状は出ない。これなら、閉鎖病棟に閉じ込める必要はあるまい。」
( ・`ω・´)「しかもロボトミーと違って副作用も少ないし、何より人間を取り戻す治療をしてくれる。ロボトミーも終わりか」

クロルブロマジンは「閉じ込める」「切る」治療を変え、精神科を変えた。

>>28
彡(゚)(゚)「実はそれだけが理由じゃないっていうのがミソなんやで。」


43: 名無しさん 2017/12/17(日)18:18:47 ID:9j1

>>28 ニキも言っていた通り、精神科の薬物療法は重要なパラダイムシフトなんや。
日本じゃないが避けては通れんのや。


34: 名無しさん 2017/12/17(日)18:11:12 ID:yyT

精神障害者を閉じ込めるとか最低やな


35: 名無しさん 2017/12/17(日)18:12:21 ID:9j1

>>34
その考え方って相当最近の考え方なんやで


33: 名無しさん 2017/12/17(日)18:10:54 ID:9j1

3.イミプラミン
彡(゚)(゚)「イミプラミンは「三環系」と言われる最初の抗うつ薬や。1957年に発見されたで。」
彡(゚)(゚)「せやかて面白いエピソードはないから省略や」
彡(^)(^)「みんなも長い文書読んで疲れたやろ」
彡(^)(^)「ひとまず休憩や」


36: 名無しさん 2017/12/17(日)18:12:27 ID:4dS

ちゃんと読んどるやで
ゆっくりでええから続けて欲しいンゴよ


40: 名無しさん 2017/12/17(日)18:16:30 ID:a29

ワイは二発目でいい先生に当たったからええが、日本ではあたりはずれが激しいらしいな


42: 名無しさん 2017/12/17(日)18:18:08 ID:aYk

日本は1950年まで精神病者の私宅監置(座敷牢=家族の監禁)状態




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