1: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:00:09.270 ID:Noh2GPou0
― 自宅 ―
ニート「ふぁぁ……起きたら午後の一時か」
ニート「やべーな。ここしばらく、午前中に起きれたためしがないぞ」
ニート「ま、起きれなくてもぜーんぜん問題ないんだけど!」
ニート「これだからニート生活はやめられないぜ!」ゴロン…
ピリリリ… ピリリリ…
ニート「ん? 電話? 俺なんかに? 珍しいな……」
ニート「ふぁぁ……起きたら午後の一時か」
ニート「やべーな。ここしばらく、午前中に起きれたためしがないぞ」
ニート「ま、起きれなくてもぜーんぜん問題ないんだけど!」
ニート「これだからニート生活はやめられないぜ!」ゴロン…
ピリリリ… ピリリリ…
ニート「ん? 電話? 俺なんかに? 珍しいな……」
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4: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:01:45.274 ID:uY7R1/fH0
ほう
5: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:03:10.540 ID:Noh2GPou0
ニート「もしもし」
メリー『私メリーさん』
ニート「は?」
メリー『今、○○駅にいるの』
ニート「え、なんなの」
プッ… ツーツー…
ニート「なんなんだ、いったい……イタズラ電話か」
ニート(○○駅っていったらこの近くの駅だけど……まさかな)
メリー『私メリーさん』
ニート「は?」
メリー『今、○○駅にいるの』
ニート「え、なんなの」
プッ… ツーツー…
ニート「なんなんだ、いったい……イタズラ電話か」
ニート(○○駅っていったらこの近くの駅だけど……まさかな)
7: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:06:08.690 ID:Noh2GPou0
ピリリリ… ピリリリ…
ニート「もしもし」
メリー『私メリーさん』
ニート「またお前か!」
メリー『今、××公園にいるの』
プッ… ツーツー…
ニート「……なんなんだよ、マジで」
ニート(ちょっと待てよ……××公園って、ウチの近所の公園だよな……)
ニート「もしもし」
メリー『私メリーさん』
ニート「またお前か!」
メリー『今、××公園にいるの』
プッ… ツーツー…
ニート「……なんなんだよ、マジで」
ニート(ちょっと待てよ……××公園って、ウチの近所の公園だよな……)
8: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:08:48.984 ID:Noh2GPou0
ピリリリ… ピリリリ…
ニート「も、もしもし」
メリー『私メリーさん、今あなたの家の前にいるの』
ニート「え!?」
ニート「ちょ、ちょっと待ってくれ! どういうこと――」
プッ… ツーツー…
ニート(ウソだろ!? ウソだろぉ!?)
ニート(とりあえず、母さんに家に誰も入れるなっていわないと!)
ニート「も、もしもし」
メリー『私メリーさん、今あなたの家の前にいるの』
ニート「え!?」
ニート「ちょ、ちょっと待ってくれ! どういうこと――」
プッ… ツーツー…
ニート(ウソだろ!? ウソだろぉ!?)
ニート(とりあえず、母さんに家に誰も入れるなっていわないと!)
9: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:09:59.856 ID:MiWMnznLr
ヤバイ
11: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:11:20.760 ID:Noh2GPou0
ピリリリ… ピリリリ…
ニート「もしもしぃ!」
メリー『私メリーさん、今あなたの部屋の前にいるの』
ニート「えええ!?」
プッ… ツーツー…
ニート(マジで!? 玄関のドアが開いた気配なんかなかったぞ!? どうやって!?)
ピリリリ… ピリリリ…
ニート「!?」ビクッ
ニート「もしもしぃ!」
メリー『私メリーさん、今あなたの部屋の前にいるの』
ニート「えええ!?」
プッ… ツーツー…
ニート(マジで!? 玄関のドアが開いた気配なんかなかったぞ!? どうやって!?)
ピリリリ… ピリリリ…
ニート「!?」ビクッ
12: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:14:22.414 ID:Noh2GPou0
ニート「も……もしもし」
メリー『私メリーさん』
ニート「……」ドクッドクッ
メリー『今あなたの後ろに――』
ニート「うぎゃわあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
メリー『私メリーさん』
ニート「……」ドクッドクッ
メリー『今あなたの後ろに――』
ニート「うぎゃわあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
14: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:17:47.892 ID:Noh2GPou0
ニート「助けて下さい! お願いします!」
ニート「心を入れ替えて、真面目に働きます! だから! だからぁぁぁぁぁ!」
シーン…
ニート「……あれ?」
ニート(全部……ウソだった?)
ニート(いや……さっき感じたあの気配……あれはどう考えても絶対ホンモノだった!)
ニート「……ハロワ行くか」
ニート「心を入れ替えて、真面目に働きます! だから! だからぁぁぁぁぁ!」
シーン…
ニート「……あれ?」
ニート(全部……ウソだった?)
ニート(いや……さっき感じたあの気配……あれはどう考えても絶対ホンモノだった!)
ニート「……ハロワ行くか」
15: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:21:29.653 ID:Noh2GPou0
― ハローワーク前 ―
ニート「……」
ニート(ここまで来たのはいいけど、入るの怖い。絶対今まで何してたんだとかいわれるし)
ニート(やっぱ帰ろう)
ニート(だって見たところハロワにはおっさんもいっぱい来てるし、俺なんかまだまだ余裕じゃん?)
ニート(少なくともあと十年はニートしても大丈夫だって! 選ばなきゃ仕事なんかいくらでもあるし!)
ピリリリ… ピリリリ…
ニート「!」ビクッ
ニート「……」
ニート(ここまで来たのはいいけど、入るの怖い。絶対今まで何してたんだとかいわれるし)
ニート(やっぱ帰ろう)
ニート(だって見たところハロワにはおっさんもいっぱい来てるし、俺なんかまだまだ余裕じゃん?)
ニート(少なくともあと十年はニートしても大丈夫だって! 選ばなきゃ仕事なんかいくらでもあるし!)
ピリリリ… ピリリリ…
ニート「!」ビクッ
16: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:24:47.231 ID:Noh2GPou0
ニート「もしもし」
メリー『私メリーさん』
ニート「またか! あいにく俺は今家には――」
メリー『今ハローワークの近くにいるの』
ニート「げ!?」
プッ… ツーツー…
メリー『私メリーさん』
ニート「またか! あいにく俺は今家には――」
メリー『今ハローワークの近くにいるの』
ニート「げ!?」
プッ… ツーツー…
17: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:27:35.224 ID:Noh2GPou0
ピリリリ… ピリリリ…
ニート「……」
ニート「は、はい……」
メリー『私メリーさん、今あなたの後ろ――』
ニート「ほぎょあああああああああっ!!!」
ニート「ハローワークの職員さん! たっすけてぇぇぇぇぇ!!!」タタタタタッ
ニート「……」
ニート「は、はい……」
メリー『私メリーさん、今あなたの後ろ――』
ニート「ほぎょあああああああああっ!!!」
ニート「ハローワークの職員さん! たっすけてぇぇぇぇぇ!!!」タタタタタッ
18: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:31:18.452 ID:Noh2GPou0
― 自宅 ―
母「あら、どうしたの? スーツなんか着て」
ニート「……面接」
母「あら! やっと働く気になってくれたのね!」
ニート「働くって……まだ分かんねーよ」
ニート「じゃ、行ってくる」
母「あら、どうしたの? スーツなんか着て」
ニート「……面接」
母「あら! やっと働く気になってくれたのね!」
ニート「働くって……まだ分かんねーよ」
ニート「じゃ、行ってくる」
19: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:36:13.776 ID:Noh2GPou0
― 会社の前 ―
ニート(ハロワの紹介で会社を受けることになったけど……)
ニート(見るからにしょぼい会社だなぁ……絶対零細ブラックだろ、これ)
ニート(面接も怖いし……このままバックレちまうか?)
ニート(うん、バックレちまおう!)
ニート(ニートだった俺が、面接を受けようかなってとこまでいった……すごい進歩じゃないか!)
ニート(そうと決まれば、どこかゲーセンでも――)
ピリリリ… ピリリリ…
ニート「なんだ?」
ニート(ハロワの紹介で会社を受けることになったけど……)
ニート(見るからにしょぼい会社だなぁ……絶対零細ブラックだろ、これ)
ニート(面接も怖いし……このままバックレちまうか?)
ニート(うん、バックレちまおう!)
ニート(ニートだった俺が、面接を受けようかなってとこまでいった……すごい進歩じゃないか!)
ニート(そうと決まれば、どこかゲーセンでも――)
ピリリリ… ピリリリ…
ニート「なんだ?」
20: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:39:34.321 ID:Noh2GPou0
ニート「もしもし」
メリー『私メリーさん、今△△社の近くにいるの』
ニート「うわわっ!?」
プッ… ツーツー…
ニート(△△社は……今まさに俺の目の前にある会社の名前だ……)ガタガタ…
メリー『私メリーさん、今△△社の近くにいるの』
ニート「うわわっ!?」
プッ… ツーツー…
ニート(△△社は……今まさに俺の目の前にある会社の名前だ……)ガタガタ…
21: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:42:06.241 ID:Noh2GPou0
ピリリリ… ピリリリ…
ニート「……もしもし」ゴクッ
メリー『私メリーさん』
ニート「存じております」
メリー『今、あなたの後ろに――』
ニート「面接に行ってきまぁぁぁぁぁす!!!」スタコラサッサ
ニート「……もしもし」ゴクッ
メリー『私メリーさん』
ニート「存じております」
メリー『今、あなたの後ろに――』
ニート「面接に行ってきまぁぁぁぁぁす!!!」スタコラサッサ
22: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:46:56.301 ID:Noh2GPou0
― 自宅 ―
会社員(まさか受かるとはな……どんだけ人手不足の会社だったんだ)
父「今日から初出社だな、頑張れよ!」
母「お弁当作ったから!」
会社員「……ありがとう」
会社員(行きたくねえ、行きたくねえよ……)
会社員(満員電車に揺られて、懲役数十年、こんなのバカらしくてやってられっか!)
会社員(まさか受かるとはな……どんだけ人手不足の会社だったんだ)
父「今日から初出社だな、頑張れよ!」
母「お弁当作ったから!」
会社員「……ありがとう」
会社員(行きたくねえ、行きたくねえよ……)
会社員(満員電車に揺られて、懲役数十年、こんなのバカらしくてやってられっか!)
24: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:51:24.778 ID:Noh2GPou0
― 公園 ―
会社員「会社行くフリして、ここで一日を過ごそう」
会社員「俺みたいな根性無しが社会人になるなんて最初からムリな話なんだから……」
ピリリリ… ピリリリ…
会社員(で、電話……!)
会社員(会社から? いや違うな……きっと――)
会社員「会社行くフリして、ここで一日を過ごそう」
会社員「俺みたいな根性無しが社会人になるなんて最初からムリな話なんだから……」
ピリリリ… ピリリリ…
会社員(で、電話……!)
会社員(会社から? いや違うな……きっと――)
25: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:55:18.597 ID:Noh2GPou0
会社員「も、もしもし」
メリー『私メリーさん』
会社員「やっぱり!」
メリー『今、××公園の前にいるの』
プッ… ツーツー…
会社員「ひいっ! この公園じゃん!」
メリー『私メリーさん』
会社員「やっぱり!」
メリー『今、××公園の前にいるの』
プッ… ツーツー…
会社員「ひいっ! この公園じゃん!」
26: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:57:49.255 ID:Noh2GPou0
ピリリリ… ピリリリ…
会社員「ひゃいっ!」
メリー『私メリーさん、今あなたの後ろに――』
会社員「うおおおおおおおおおおお!!! 出勤じゃあああああああああああああ!!!」
会社員「ひゃいっ!」
メリー『私メリーさん、今あなたの後ろに――』
会社員「うおおおおおおおおおおお!!! 出勤じゃあああああああああああああ!!!」
27: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:03:34.326 ID:Noh2GPou0
― 会社 ―
会社員(慣れというのは恐ろしいもんで……)
会社員(俺が会社員になってから、結構な時間が経った)
会社員(運のいいことに、俺が配属された課は上司が案外ちょろくて、わりとサボれる)
会社員(仕事してるフリは、得意中の得意だからな)
会社員(このまま社内ニート目指して頑張るぜ!)
上司「おい、事務作業もいいが、もっと外回りに行ったらどうだ」
会社員「すみません、手が離せない用事があって……(ソリティアだけど)」
上司「ううむ、なら仕方ないな」
会社員(ちょろっ!)
会社員(仮に業績不振でこの会社がブッ潰れたところで、またニートになりゃいい話だしな!)
プルルル… プルルル…
会社員(ちっ、電話かよ)
会社員(慣れというのは恐ろしいもんで……)
会社員(俺が会社員になってから、結構な時間が経った)
会社員(運のいいことに、俺が配属された課は上司が案外ちょろくて、わりとサボれる)
会社員(仕事してるフリは、得意中の得意だからな)
会社員(このまま社内ニート目指して頑張るぜ!)
上司「おい、事務作業もいいが、もっと外回りに行ったらどうだ」
会社員「すみません、手が離せない用事があって……(ソリティアだけど)」
上司「ううむ、なら仕方ないな」
会社員(ちょろっ!)
会社員(仮に業績不振でこの会社がブッ潰れたところで、またニートになりゃいい話だしな!)
プルルル… プルルル…
会社員(ちっ、電話かよ)
28: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:06:34.938 ID:Noh2GPou0
会社員「お電話ありがとうございます。△△社でございます」
メリー『私メリーさん』
会社員「……え!?」
メリー『今、△△社の前にいるの』
会社員「ひいっ!」
プッ… ツーツー…
会社員「あ……あ……」
上司「どうしたのかね? 顔色が真っ青だが」
会社員「い、いえ……」
メリー『私メリーさん』
会社員「……え!?」
メリー『今、△△社の前にいるの』
会社員「ひいっ!」
プッ… ツーツー…
会社員「あ……あ……」
上司「どうしたのかね? 顔色が真っ青だが」
会社員「い、いえ……」
29: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:10:36.381 ID:Noh2GPou0
プルルル… プルルル…
会社員「お電話ありがとうございます」
メリー『私メリーさん、今あなたの課の部屋の前にいるの』
会社員「うおおおっ!?」
プッ… ツーツー…
会社員「ハァ……ハァ……」
プルルル…
会社員「ひいっ!?」
会社員「お電話ありがとうございます」
メリー『私メリーさん、今あなたの課の部屋の前にいるの』
会社員「うおおおっ!?」
プッ… ツーツー…
会社員「ハァ……ハァ……」
プルルル…
会社員「ひいっ!?」
30: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:13:47.694 ID:Noh2GPou0
会社員「も、もしもし……」
メリー『私メリーさん』
会社員「な、なんでしょう?」
メリー『今あなたの後ろに――』
会社員「外回りに行ってきまぁぁぁぁぁす!!!」スタタタタッ
上司(おおっ、いつになくエネルギッシュだな)
メリー『私メリーさん』
会社員「な、なんでしょう?」
メリー『今あなたの後ろに――』
会社員「外回りに行ってきまぁぁぁぁぁす!!!」スタタタタッ
上司(おおっ、いつになくエネルギッシュだな)
31: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:16:41.369 ID:Noh2GPou0
― レストラン ―
会社員「料理……おいしいね」
女「ええ、とっても」
会社員「……」
女「……」
会社員「夜景……キレイだね」
女「ええ……」
会社員(プロポーズしたい……)
会社員(だけど、勇気が出ない。だって俺みたいな元ニートが人一人幸せにできるわけないもんな)
会社員「料理……おいしいね」
女「ええ、とっても」
会社員「……」
女「……」
会社員「夜景……キレイだね」
女「ええ……」
会社員(プロポーズしたい……)
会社員(だけど、勇気が出ない。だって俺みたいな元ニートが人一人幸せにできるわけないもんな)
33: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:20:59.129 ID:Noh2GPou0
ピリリリ… ピリリリ…
会社員「!」
会社員「(誰だよ、こんな時に……)ごめん、ちょっと電話出る」
会社員「もしもし」
メリー『私メリーさん』
会社員「!」ブッ
メリー『今、レストランの前にいるの』
プッ… ツーツー…
会社員「……」ガタガタ…
女「どうしたの? 震えてるけど」
会社員「い、いや……」
会社員「!」
会社員「(誰だよ、こんな時に……)ごめん、ちょっと電話出る」
会社員「もしもし」
メリー『私メリーさん』
会社員「!」ブッ
メリー『今、レストランの前にいるの』
プッ… ツーツー…
会社員「……」ガタガタ…
女「どうしたの? 震えてるけど」
会社員「い、いや……」
34: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:23:15.601 ID:Noh2GPou0
ピリリリ… ピリリリ…
会社員「……もしもし」
メリー『私メリーさん、今あなたの後ろに――』
会社員「あわわわわっ!」
会社員「結婚してくださいっ!!!」
女「はいっ!」
会社員「……もしもし」
メリー『私メリーさん、今あなたの後ろに――』
会社員「あわわわわっ!」
会社員「結婚してくださいっ!!!」
女「はいっ!」
35: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:28:31.199 ID:Noh2GPou0
― 会社 ―
課長(なんやかんやあって、俺も家庭を持ち、課長になった)
課長(俺、こんなキャラじゃなかったはずなんだけどな……)
ピリリリ… ピリリリ…
課長「ん? 誰だろう?」
課長「もしもし」
誘拐犯『ふへへへ……お宅の息子さんは預かった』
課長「……な!?」
課長(なんやかんやあって、俺も家庭を持ち、課長になった)
課長(俺、こんなキャラじゃなかったはずなんだけどな……)
ピリリリ… ピリリリ…
課長「ん? 誰だろう?」
課長「もしもし」
誘拐犯『ふへへへ……お宅の息子さんは預かった』
課長「……な!?」
36: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:32:31.995 ID:Noh2GPou0
課長「なんだ……!? いったいどういうことだ!?」
誘拐犯『返して欲しけりゃ、身代金一千万円を用意しろ』
課長「バカバカしい。こんなイタズラに付き合ってられるか!」
誘拐犯『イタズラ? イタズラねえ……ふへへ。おい、ガキ!』
息子『パパー、助けてーっ!』
課長「!」
誘拐犯『ふへへへ、今ので分かったろ? 狂言なんかじゃねえからな』
誘拐犯『いうまでもないが、警察にチクったら息子の命はねえ』
誘拐犯『またかけ直す』
プッ… ツーツー…
課長「お、おいっ! 待てっ! 切るなっ!」
誘拐犯『返して欲しけりゃ、身代金一千万円を用意しろ』
課長「バカバカしい。こんなイタズラに付き合ってられるか!」
誘拐犯『イタズラ? イタズラねえ……ふへへ。おい、ガキ!』
息子『パパー、助けてーっ!』
課長「!」
誘拐犯『ふへへへ、今ので分かったろ? 狂言なんかじゃねえからな』
誘拐犯『いうまでもないが、警察にチクったら息子の命はねえ』
誘拐犯『またかけ直す』
プッ… ツーツー…
課長「お、おいっ! 待てっ! 切るなっ!」
37: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:35:57.262 ID:Noh2GPou0
課長(どうする……!? 警察に通報すべきか……!? でもそしたら息子の命が……!)
課長「くそっ……!」
ピリリリ… ピリリリ…
課長「も、もしもし!」
メリー『私メリーさん』
課長「――え!?」
メリー『今誘拐犯の後ろにいるの』
プッ… ツーツー…
課長「……どういうことなの」
課長「くそっ……!」
ピリリリ… ピリリリ…
課長「も、もしもし!」
メリー『私メリーさん』
課長「――え!?」
メリー『今誘拐犯の後ろにいるの』
プッ… ツーツー…
課長「……どういうことなの」
38: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:38:04.906 ID:MiWMnznLr
キター
39: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:40:21.370 ID:Noh2GPou0
ピリリリ… ピリリリ…
課長「もしもし!」
メリー『私メリーさん、今あなたの息子さんの後ろにいるの』
息子『あのねパパ、すごく強い女の子が悪者をやっつけてくれたの!』
息子『これから家に送ってもらうところだから、じゃーねー!』
課長「えええええ!?」
プッ… ツーツー…
課長「……」
課長(ありがとう……メリーさん)
課長「もしもし!」
メリー『私メリーさん、今あなたの息子さんの後ろにいるの』
息子『あのねパパ、すごく強い女の子が悪者をやっつけてくれたの!』
息子『これから家に送ってもらうところだから、じゃーねー!』
課長「えええええ!?」
プッ… ツーツー…
課長「……」
課長(ありがとう……メリーさん)
40: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:44:21.152 ID:Noh2GPou0
― 会社 ―
部長(ついに俺も部長になった……)
部長(だが、今俺は重大なプロジェクトを決行するか、やめるかの決断を迫られている)
部長(もし、このプロジェクトを成功させれば、会社は飛躍的に成長を遂げることになるが)
部長(失敗すれば、会社そのものが倒産の危機に陥りかねん……!)
部長(どうすべきか……)
ピリリリ… ピリリリ…
部長「もしもし」
部長(ついに俺も部長になった……)
部長(だが、今俺は重大なプロジェクトを決行するか、やめるかの決断を迫られている)
部長(もし、このプロジェクトを成功させれば、会社は飛躍的に成長を遂げることになるが)
部長(失敗すれば、会社そのものが倒産の危機に陥りかねん……!)
部長(どうすべきか……)
ピリリリ… ピリリリ…
部長「もしもし」
41: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:46:30.459 ID:Noh2GPou0
メリー『私メリーさん』
部長「おお、久しぶり」
メリー『今、あなたの会社の前にいるの』
プッ… ツーツー…
部長「……」
部長「おお、久しぶり」
メリー『今、あなたの会社の前にいるの』
プッ… ツーツー…
部長「……」
42: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:51:03.435 ID:Noh2GPou0
ピリリリ… ピリリリ…
部長「もしもし」
メリー『今あなたの後ろに――』
部長「よし、決めたぁっ!!!」
部長「みんな、例のプロジェクトを決行する!」
部長「どうかみんな俺についてきてくれ! 絶対成功させるんだ!」
ワァァッ…!
…………
……
部長「もしもし」
メリー『今あなたの後ろに――』
部長「よし、決めたぁっ!!!」
部長「みんな、例のプロジェクトを決行する!」
部長「どうかみんな俺についてきてくれ! 絶対成功させるんだ!」
ワァァッ…!
…………
……
43: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:55:36.888 ID:Noh2GPou0
― 病院 ―
老人(ん……ここは……)
老人(そうか……ここは病院……)
老人(体に力が入らない……。分かる……人生の終わりが来たんだと……)
「声をかけてあげてください……おそらくこれが最後に……」
「あなた!」
「オヤジ!」
「おじいちゃん!」
老人(家族の……声)
老人(俺なんかのために、集まってくれてありがとうよ……)
老人(ん……ここは……)
老人(そうか……ここは病院……)
老人(体に力が入らない……。分かる……人生の終わりが来たんだと……)
「声をかけてあげてください……おそらくこれが最後に……」
「あなた!」
「オヤジ!」
「おじいちゃん!」
老人(家族の……声)
老人(俺なんかのために、集まってくれてありがとうよ……)
45: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:59:57.153 ID:iHMZ4qkSd
見てるよ
46: 名無しさん 2016/11/28(月) 23:01:32.179 ID:Noh2GPou0
老人(こんなにも充実した人生を送れたのも……)
老人(こうして家族に見守られながら、逝くことができるのも……)
老人(メリーさんのおかげだ……)
老人(こうして死の間際にいると……自分でも忘れてた遠い記憶がよみがえる……)
老人(そういえば……まだ物心つくかつかないかの頃……)
老人(大切にしてた女の子の人形をなくして、大泣きしたことがあったっけ……ハハ、懐かしい……)
老人(たしか、あの人形の名前は――)
ピリリリ… ピリリリ…
老人「!」
老人(こうして家族に見守られながら、逝くことができるのも……)
老人(メリーさんのおかげだ……)
老人(こうして死の間際にいると……自分でも忘れてた遠い記憶がよみがえる……)
老人(そういえば……まだ物心つくかつかないかの頃……)
老人(大切にしてた女の子の人形をなくして、大泣きしたことがあったっけ……ハハ、懐かしい……)
老人(たしか、あの人形の名前は――)
ピリリリ… ピリリリ…
老人「!」
47: 名無しさん 2016/11/28(月) 23:05:04.033 ID:Noh2GPou0
老人「電話……」
「オヤジ!?」
「今ボソッと、でんわ、って……」
「おじいちゃん! おじいちゃん!」
老人「……もしもし」
「オヤジ!?」
「今ボソッと、でんわ、って……」
「おじいちゃん! おじいちゃん!」
老人「……もしもし」
48: 名無しさん 2016/11/28(月) 23:08:08.115 ID:Noh2GPou0
メリー「私メリーさん、今あなたの後ろにいるの」
老人「おお……やっと会えたね、メリーさん」
~おわり~
老人「おお……やっと会えたね、メリーさん」
~おわり~
50: 名無しさん 2016/11/28(月) 23:11:51.321 ID:PwTm7JWx0
乙
53: 名無しさん 2016/11/28(月) 23:42:18.562 ID:iHMZ4qkSd
乙でした
44: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:57:16.518 ID:7LOKoVnod
普通にいい話になっててワロタ
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・障害/人種/特定の属性に対する悪意ある中傷/差別的発言
・特定の性別に対する悪意ある中傷/差別的発言
・記事内>>1に対する著しい中傷/差別的発言
・記事内容に目を通さず曲解した見解を述べ著しくサイト内の治安を悪化させる行為
・記事内容と無関係に特定の思想/イデオロギーを複数回に渡り書き込み著しくサイト内の治安を悪化させる行為
・上記に該当しない個性的な書き込みに対する著しい中傷/嫌悪の表明
暫く上記ルールで運用します(適宜改訂の可能性あり)
悪質な場合は予告なしで規制の対象とさせて頂きます
ルールを守ってお使いくださいませ
コメント一覧
コメント一覧 (6)
頑張れ...(´・_・`)
メリー「独身卒業キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! これで寂しくならずに毎日ワイくんと一緒にいれるやんけ!」
タルパ「お、楽しそうやな ワイもはめて」
メリー「お、ええで」
彡(^)(^)ハッピーエンドや 彡(^)(^)・・・ 彡(゚)(゚)こんな妄想しか出来へんわワイ・・・
俺が住んでいた町に廃墟があった。
2階建てのアパートみたいな建物で、壁がコンクリートでできていた。
ガラスがほとんど割れていて、壁も汚れてボロボロだったから、地元の人間でも、あまりこの場所に近づくことはなかったらしい。
ある日俺は、友人と肝試しをすることになって、この廃墟に行くことにした。
まだ昼ぐらいだったから、建物の2階まで上がって建物を探索した。
そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。
友人と近づいて確認してみると、扉の前に
「わたしは このさきの へやに いるよ」
と書いてあった。
俺と友人は扉を開けて中に入り、先に進むことにした。
歩いて行くと分かれ道に突き当たって 、壁に
「わたしは ひだり に いるよ」
と書いてあった。
少し怖くなったけれど、俺と友人はそのまま左に進むことにした。
すると両側に部屋があるところに突き当たって、壁に
「あたまは ひだり からだは みぎ」
と書いてあった。
友人はこれを見た瞬間に、半狂乱になって逃げだした。
でも俺はその場所にとどまって、勇気を出して右の部屋に行くことにした。
部屋に入り進んでいくと、突き当たりの壁に
「わたしの からだは このしたにいるよ」
と書いてあった。下を見ると
「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」
俺は急いで、その部屋の窓から飛び降りて逃げた。
それからはもう、その場所には近づいていない。
がんば...(´・_・`)/