・なぜ母は息子を溺愛するのか? 映画『Mommy/マミー』が描く濃密な母と息子の関係とは
【物語】
架空の世界のカナダが舞台。
新政権による新たな法律のひとつに、発達障害の子供を持つ親は、精神的肉体的な苦痛、貧困による育児困難などの危機に陥った場合、法的手段を取らずに、子供を入院させる権利を持つ。
ダイアナ(アンヌ・ドルヴァル)にはADHD(多動性障害)の15歳の息子スティーヴ(アントワーヌ・オリヴィエ・ピロン)がおり、時折、手が付けられないほど暴れる。
スティーヴは入っていた施設を出ることになり、ダイアンは息子と二人暮らしをすることに。
言い合いが絶えない二人だが、落ち着いているときのスティーヴは優しく素直で知的な少年で、息子の二面性にとまどうダイアン。
そんな二人が近所に住む女性カイラ(スザンヌ・クレマン)と知り合う。
心の病で吃音になってしまったカイラ。しかし、彼女はスティーヴの家庭教師になり、ダイアンとスティーヴとの絆を深めていくが……。
『Mommy/マミー』詳細はこちら
2015年4月25日より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、109シネマズ二子玉川ほか全国順次ロードショー 監督:グザヴィエ・ドラン 出演:アンヌ・ドルヴァル、スザンヌ・クレマン、アントワーヌ・オリヴィエ・ピロンほか
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【この映画への反応】
胸を締め付けられながらも息を必死にし続けるような話だった。よかったぞ……。
1:1の画角で閉塞感を感じさせる画面のまま、それぞれが問題を抱えつつ一生懸命生きているところが描写される。そんな中、オアシスの曲「ワンダーウォール」をバックに、閉塞感が解消されるシーンはとてもきれいで心に残った。
本当に凄かった…
今まで何度も聞いたOASISのWonderwallでこんなに感情が降ってくるなんてね…
そう。決めるんだよ、いつだって。
映画館から出てからじわじわ来て歩きながら泣きそうになっちゃった。なにがいいとか悪いとかいう単純なことじゃないからね。一言では言い表せない、すごい映画だった。監督25歳だって。天才か。
お母さんの強さに心を打たれたし、困難が人一倍ある中で全てを受け入れて前向きに生きる姿は自分にも重なるところだった。ダイアンとスティーヴはお互いが唯一無二の大切な存在で、誰よりも愛情深い。自分の親子関係も、そうありたいと感じた。ADHDを持っていても、あの親子は心が通じ合っている。お互いのことを考えて良かれと思ってやったことがかえって相手を傷つけたりするところは、特に共感できた。
映画で登場する“愛”という響きは言葉ではなくて、現象の“愛”だ。「今まではできなかったけど、今からは、互いに思いやって行動できてるとあなたと信じ合いたいよ。」という、(それが親子であっても)決して重なれないし、入り込めない、人間と人間の隙間を埋める祈りだ。
感情の起伏が激しく、観客を寄り添わせてはくれないけど、一歩引いてるからこそ、気持ちがすごく入ってきた。
もう本当に、なんでこんなに愛情が痛いんやろうって思えた作品でした。愛だけじゃ全ては救えないけど、愛するしか方法がないっていう…あああ何が言いたいってもう一回観たいってこと!うん!
【管理人日誌】
発達障害者の親子関係って、結構複雑ですからね…
愛と憎しみの葛藤の中で描かれる親子の物語。
連休中に時間がある方は劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。

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